SEAnews 2002-01-28 ArtNo.28062

【ムンバイ】抗菌薬“Candid B”のメーカーとして知られるGlenmark Pharmaceuticalsは、糖尿病と肥満の治療に効果を発揮する原薬を発見したと発表した。
エコノミック・タイムズとビジネス・スタンダードが1月25日報じたところによると、GlenmarkのGlenn Saldanha重役(ED)は記者会見の席上以上の消息を語った。それによると、新物質は体内の特定の受容体に作用し、糖尿病患者のブドウ糖の値を引き下げ、脂肪を燃焼させる。しかしまだ初歩的な実験段階に有り、実際に患者に投与するまでにはなお数年を要する。
GlenmarkのA D Lakdawala副社長(生物工学研究担当)によると、新物質は、β3アドレナリン受容体(Beta 3 adrenoceptor)として知られる体内の受容体を活性化することにより治療効果を発揮する。初歩的実験の結果、新物質により受容体を活性化させると、トランスジェニック・マウスのブドウ糖及びトリグリセリドのレベルが下降することが明らかになった。Glenmarkの調査チームは肥満抑制に対する効果に関して引き続き研究を進めている。今年上半期末まで臨床前実験、または動物実験が続けられる。
新物質は、ヒトβ3アドレナリン受容体作動物質(human Beta 3 adreneceptor agonists)と称される化合物(compound)に属している。一般に肥満者に糖尿病患者が多いことが知られているが、新物質は、両症状に効果を発揮する。
この種の新物質の日米欧における研究は、何れも臨床前の試験段階に有り、欧州では今年下半期に第1段階の人体試験が開始されるものと見られる。Glenmarkはこのため、多国籍製薬会社と請負研究契約を結ぶか、戦略パートナーとライセンス契約を結ぶことを検討している。
Glenmarkが最近マハラシュトラ州ムンバイに設けた、科学者100人以上が勤務する研究開発(R&D)センターは昨年4月には、喘息治療に効果を発揮する原薬の発見を発表しており、今回は2度目。喘息治療薬の第1次臨床試験は来年半ばにスタートする予定と言う。