SEAnews 2001-12-07 ArtNo.27768

【ニューデリー】一部の自動車メーカーが月間販売データを操作しているとの主張の波紋はさらに拡大、主要な地元自動車メーカー2社、Tata Engineering and Locomotive Company Ltd(Telco)とAshok Leyland Ltd(ALL)は、自動車製造業者協会(SIAM:Society of Indian Automobile Manufacturers)に報告する以前に販売データを発表しない方針を明らかにした。
ビジネス・スタンダードとエコノミック・タイムズが11月5／6日伝えたところによると、これ以前にインド最大の乗用車メーカー、Maruti Udyog Ltd(MUL)は一部のライバル・メーカーが、ＭＵＬのデータを見た上で水増しした販売データを発表しているとし、全ての自動車メーカーがSIAMへの報告を完了する10日以前に月間販売データを明らかにしない方針を宣言していた。
TelcoとＡＬＬは、一部のメーカーが水増し報告を行っているとの主張に触れ、未上場の他社はともかく、上場会社の販売データは四半期ごとに監査を受けるため、水増しなど行う余地はないとしている。
業界観測筋は、一部のメーカー、取り分け販売成績が芳しくなかったものが、競争他社の販売成績を見た上で、国内販売台数に輸出台数や完全ノックダウン・キットの販売台数を上乗せして発表すると言った操作を行った可能性は有りうると指摘する。
これまでＭＵＬ、Telco、ＡＬＬ等は月初めに販売データを発表して来たが、地場大手多目的車メーカーのMahindra & MahindraやFiatは、ＳＩＡＭに報告するのみで、独自の発表を行っていない。また経営難に直面するDaewooは2001年7月以来、販売データを全く公表していない。
ＭＵＬの主要なライバルHyundai Motor Indiaの幹部は、販売データの捏造は至る所にはびこっているとするとともに、ＳＩＡＭを通じてのみ販売データを発表する方式を歓迎した。同社はその後11月の販売台数を7139台と発表したが、これまでと異なり、各モデルごとの数字は明らかにしなかった。
ＳＩＡＭはこれ以前にはメーカーごとの総販売台数と輸出台数を公表するにとどめ、各カテゴリーの国内販売台数についてはそれぞれの推測に委ねてきた。しかしＳＩＡＭは2ヶ月前に同慣例を改めた。
業界アナリストやＳＩＡＭオフィシャルは、小さな数字の誤りは各所に存在するにしろ、4分の3以上の自動車メーカーは業績の開示義務を負うた上場企業であり、加えて各企業の生産・販売データは大蔵省により厳しく点検されているため販売数字を大幅に改竄する余地は存在しないと指摘する。
しかしＳＩＡＭ幹部は、各社がＳＩＡＭを通じてのみ販売データを公表することは、同組織の威信を高めるのに役立つと歓迎の意を表明した。