【ニューデリー】インド政府はNational Aluminium Company (Nalco)の30%の持分売却を2002年6月までに完了する。
インディアン・エクスプレスが11月19日伝えたところによれば、オフィシャル・ソースはPTI通信に以上の消息を語った。インド政府は、既に共同国際コーディネーターを募集する通知をマーチャント・バンクに送付している。
一方、エコノミック・タイムズが19日、Nalco筋の言として報じたところによると、政府は先ず30%の持分を米国預託証券(ADR)を通じて処分後、別に31%のシェアを戦略パートナーに売却する計画だが、手続きの遅れと、最終的に誰がNALCOの支配権益を握るのかが曖昧なことから、外国の潜在的パートナーが関心を失う恐れが有る。政府持分処分の全プロセスはほとんど1年に及び、外国投資家の関心を維持するには、余りに長すぎる。
世界的に最も低コストなアルミ生産者に数えられるNalcoの政府持分には、Alcan、Pechiney、Alcoaを含む外国の少なからぬアルミ・メジャーが、関心を寄せている。Nalcoは優良な工場施設と、オリッサ州における3億1000万トンに及ぶボーキサイトの採掘権を保持している。
政府持分処分局(DOD:Department of Disinvestment)は、来年4月までにADR及び国際預託証券(GDR)の発行を通じて先ず30%の持分を処分、その後別に31%の持分を戦略パートナーに売却することを計画している。政府はこれ以前に金融機関に12.5%の持分を売却、現在は87.5%のシェアを保持している。これにより政府の直接の持分は26.5%に下降するが、機関投資家の持分を合わせれば、政府は依然38.5%のシェアを保持することになる。また現在の市況からすれば、ADR/GDRルートによる30%の持分売却も決して容易ではないと言う。とは言え政府は経営管理権を戦略パートナーに引き渡すことを約束している。
他方、Nalcoはアルミ精錬能力を現在の23万2000トンから34万5000トンに拡張する方針だ。これにより国内最大のアルミ会社Hindustan Aluminium Company Ltd(HINDALCO)のキャパシティーに接近するが、後者も設備能力を現在の24万2000トンから拡張する計画を目下進めており、同プロジェクトが完成すれば、NALCOの拡張後のキャパシティー、34万5000トンを上回ることになる。
Nalcoはボーキサイトの生産拡大とキャプティブ発電施設の建設も計画しており、これらを含めた拡張予算は3900クロー(US$8.13億)にのぼる。Nalcoはこれまでに内部資金で2300クローの事業費を賄っており、最終的に同社の内部資金は600クローほど不足する見通しと言う。