【ニューデリー】中央銀行Reserve Bank of India (RBI)のBimal Jalan総裁は、様々な不透明要因が存在するものの、インド経済の基盤は依然強固であるとし、今年は通年で5~6%の成長が見込めるとの見通しを示した。
エコノミック・タイムズが10月22日報じたところによると、ジャラン総裁は“2001-02年通貨・信用政策中期見直し”の中で、経済基盤が依然強固と判断した根拠として、低いインフレ率、比較的低い安定した金利水準、高い外貨準備、大量の食糧備蓄、競争力有る情報技術(IT)関連産業を挙げた。
総裁によれば、金融体系中の流動性は信用需要に十分応じることができ、予想外の事態が生じない限り、中央銀行は現在の金利水準を維持する。また気象庁や農業省発表のデータから見て2001-02年度の農業成長率は前年を大幅に上回る見通しだ。
総裁は「今年上半期の工業生産や輸出動向は決して理想的でなく、国際的な先行きも不透明なことから、通年の成長率を現状で予測するのは困難だが、世界経済の一層の混乱が生じないなら、現時点で5-6%の成長を予測することは、信用/通貨政策上あながち無責任な予想とは言えない」と付言した。
今年通年のインフレ率は昨年の7.4%から3.2%に鎮静、今年の通貨供給と商業銀行の預金の伸びは、昨年を僅かに上回る見通しだ。しかし信用と投資需要の減退から銀行がこうしたリソースを有効活用する面である種の挑戦に直面する可能性がある。とは言え9月と10月初旬には、非食品部門に対する銀行の融資や商業部門へのその他のリソースの流入が多少拡大した。
中央銀行の政府に対する貸付は穏やかな成長をとげ、外貨準備は急成長を見た。準備金は2001-02年を通じて緩やかに拡大する見通しと言う。