SEAnews 1995-08-14 ArtNo.2736

【シンガポール】シンガポールのプリント基板(PCB)メーカーは電子部品の供給が需要に追いつかぬ状況の下、いずれも好業績を達成している。
ペンテクス・シュヴァイツァー・サーキッツは6月30日締め年度に48％増の1180万Ｓドルの純益を計上、近く通年の業績を発表する当地最大のＰＣＢメーカー、エレック＆エレテク(E&E)の業績も良好と予想されている。ＪＭサッスーンのアナリストはＥ＆Ｅの増益率を25～30％と予想している。しかしアナリストは、専らコンピュータ産業向けにＰＣＢを供給するＥ＆Ｅの業績は、消費者用電子産業向けにＰＣＢを供給するペンテクスには及ばないと見ている。消費者用電子製品の単層ＰＣＢの需要の伸びが25％であるのに対して、コンピュータ産業向け多層ＰＣＢのそれはほぼ半分の13％にとどまっている。またコンピュータ業界の厳しい競争環境の中で大量生産されるコンピュータ用ＰＣＢのマージンは薄い。
一方、他のＰＣＢメーカー、例えばゴールドトロン、ＰＣＩ、Ｔｒｉ－Ｍ等は契約製造等に業務の多角化を図っており、アナリストらはこれらの企業を、純粋なＰＣＢメーカーと比較するのをためらっている。一方、ペンテクスは大量生産ビジネスをできるだけ回避し、自動車産業向け電子部品等への進出を図っている。この種のビジネスは比較的高いマージンが期待できるが、その反面小量生産に伴うコスト高も覚悟せねばならない。ＵＢＳ証券によれば、ペンテクスは顧客の間で高い信用を得ており、その製品はプレミアムを享受していると語る。ペンテクス幹部によると、需要は急速に拡大しており、6カ月ごとに設備拡張が必要とされている。このため同社は最近手にれた用地に98年の稼働を目処に新工場を建設する。同社は向こう4～5年間に5000万～6000万Ｓドルを追加投資する計画だ。マイクロソフトのウィンドウズ95が2週間後には市場に出回り、メモリの拡張や新ＰＣシステムの需要が高まることからＰＣＢメーカーの春は更に持続する見通しと言う。(ST:8/12)