2001-09-20 ArtNo.27120
◆インド製薬・生物工学、2010年にはUS$250億産業に
【ムンバイ】インドの製薬/生物工学産業のサイズは2010年までに現在の50億米ドルから250億米ドルに成長する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが9月17日伝えたところによると、McKinsey & Coのパートナー、Sankar Krishnan氏は最近ムンバイで催されたファンド・マネージャーの会議の席上、以上の見通しを明らかにした。
それによると、こうした急成長は、革新的ビジネスや国内経済及び輸出貿易の成長に牽引され、また急速に変化する国際製薬産業のシナリオを背景に実現される。インドにおける革新的ビジネスには新薬の開発やR&Dサービスが含まれ、同部門は2010年には50億乃至70億米ドル産業に成長、国内市場規模は120億米ドルに達する見通しだ。
今後国際製薬産業は4つの支配的潮流に導かれる。これらの潮流とは1)新たな研究開発(R&D)方式への世界的なシフトを導く新技術の出現。2)コスト抑制の要求増大。3)世界的な法制の統一化とそれに伴うアウトソーシングの拡大。4)処方薬から店頭薬そしてニュートラシューティカルズ(栄養剤)への消費者指向の変化。
こうした潮流はインドに、新技術拡張上、新たなビジネス機会をもたらす。製薬・生物工学産業の急成長は、国際市場における役割の上からインド国内産業を変身させる。インド製薬・生物工学産業の時価総額は現在の150億乃至200億米ドルから1500億米ドルに拡大、インドは卓越した科学センターに、また国際メジャーの優先投資地に生まれ変わる。
一部の指導的地元製薬会社が国際プレーヤーに成長する他、中規模・ハイバリューなリサーチ・ベースの地元企業5~10社が台頭、その他の地元企業はロー・バリュー・ゲームに生存を託すものと見られる。市場は急速に変化し、取り分け治療領域の急成長に伴い、多国籍企業との競争も過熱する。
ジェネリック薬品輸出領域においても付加価値指向が高まり、規制の厳しい先進国市場の開拓にシフトする。向こう10年間には総額800億米ドルにのぼる薬品の特許が期限を迎える。
こうした成長を実現するため、インド政府と製薬業界は、1)機能的な特許制度の確立、2)学術領域と産業領域双方における革新精神及び企業家精神の涵養、3)ビジネスにフレンドリーな法制の整備、と言ったキーエリアで密接な協力態勢を組む必要があると言う。
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