SEAnews 2001-09-11 ArtNo.27039

【ニューデリー】今年の雨期が全国的に概して順調だったことから、家電販売のブームが生じており、同業界は年末の祝祭日シーズンに向け売上が一層拡大するものと期待している。
ビジネス・スタンダードが9月8日報じたところによれば、農村や準都市部(semi-urban)で需要の大きいカラー・テレビジョン(CTV)、トランジスター・ラジオ、ロー・エンド洗濯機等の売上が急増、アナリストらは向こう数カ月の見通しを上方修正している。
総売上の65％を農村に依存するＣＴＶの販売は今年上半期(2001/1-6)に15％のマイナス成長を記録したものの、農村及び準都市部のバイヤーの購買意欲の復調に支えられ、7月には18％、8月には21％のプラス成長を回復した。
Samsung India Electronics Ltdの幹部は、「ガネシュ・チャトゥルティー(Ganesh Chaturthi)とオーナム(Onam)の売上は好況の到来を予告している。Navaratra、Durga Puja、Diwali、クリスマス等の祝祭日が続く向こう4ヶ月にはボリューム販売の25～30％の成長が期待できる」と強気な見通しを語った。
消費者用電子／ＴＶ製造業者協会(CETMA:Consumer Electronics and TV Manufacturers Association)のSuresh Khanna事務局長は、「上半期のＣＴＶ販売は15％のマイナス成長を記録したが、順調なモンスーンから見て、今年通年では上半期のマイナス成長を補填するだけでなく、5％のプラス成長が望める」と語った。
LG Electronics Indiaのマーケッティング主任、Pradip Tognata氏は、「オリッサ州は洪水に見回れたにも関わらず、8月の同州セールは大幅な成長を見た。これは全国の過去2ヶ月の動向にも当てはまるものと見られる」と語った。
地元大手家電会社VideoconのVenugopal N Dhoot会長兼ＭＤによると、良好なモンスーンの影響は既に感じられ、7月のＣＴＶ販売は18％、8月は20％以上の成長が記録された。残る4ヶ月には30％を超える伸びが期待できる。販売の多くは8000～9000ルピー(US$170-191)の価格帯に集中しており、これらは主に農村部で販売されている。やはり農村部の需要が中心のトランジスター・ラジオやカセット・レコーダーにも同様な傾向が見られると言う。
Philips IndiaのRajeev Karwal上級副社長によると、セールスは復調しており、政府が新税を課したにも関わらず、オーディオ・マーケットの下降局面に歯止めをかけるものと見られる。オーディオ売上は上半期に10－15％下降したが、下半期には5－7％のプラス成長が見込めると言う。
ＣＥＴＭＡのKhanna事務局長によると、季節的変動の少ない洗濯機の販売もＣＴＶと同様の復調が見込め、同品目の販売は過去2年5％のマイナス成長を記録したが、今年は通年で10％の成長が見込める。
しかしながらエアコンと冷蔵庫の販売にとって、雨期は決して好材料とは言えず、特に雨期の早期到来でエアコン業界はマイナス影響を受けている。同部門はこれまで年率25％の成長を続けてきたが、今年の成長率は10％未満にとどまりそうだ。
地場大手エアコン会社VoltasのSN Tripathy重役(ED)によると、雨期の早期到来でエアコン販売のピーク期間が短縮され、その後も復調は生じていない。
雨期の早期到来は冷蔵庫の販売にも同様の影響を及ぼしている。市場調査会社ORG-GfK幹部は「冷蔵庫の販売には季節的変動が見られるが、過去2ヶ月の売上は下降した」と指摘した。しかし同氏はそれ以上詳細を語らなかった。