2001-09-10 ArtNo.27022
◆IFCI、ハルディア石油化学のコスト算定と融資方式に疑問
【ニューデリー】Industrial Finance Corporation of India (IFCI)は、タタ・グループ(14%)/The Chaterjee group (TCG:43%)/西ベンガル州政府(43%)が合弁で進める5820クロー(US$12.35億)のHaldia Petrochemicals Limited (HPL)のコスト算定と金融方式に強い疑問を呈している。
インディアン・エクスプレスが9月7日報じたところによれば、これは西ベンガル州政府が、26%の出資に応じるのと引き替えに経営管理権を要求したIndian Oil Corporation's (IOC)の提案を拒絶したのに続くもの。ちなみにIndustrial Development Bank of India (IDBI)/Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)/IFCIがHPLプロジェクトに共同で融資、IDBIが融資団の幹事を務めている。IOCが第4の出資パートナーになれば、出資構成にも調整が加えられる。
先週水曜に催されたIFCI幹部との会議の席上、プロジェクトに詳細な見直しが加えられた。席上IFCI幹部はプロジェクトは稼働したものの、正確なコストの算定が行われていないと指摘した。それによると、IDBIは2001年2月の稼働を想定し、プロジェクト・コストを5820クローと算定したが、商業生産は依然としてスタートしておらず、一層のコスト超過が生じた。商業生産の遅れは、コスト超過のみならず、プロモーターと金融機関の間で合意された融資方式にも影響を及ぼさざるを得ない。
プロジェクト・コストを5820クローとするIDBIの算定を受け入れるにしても、プロジェクトの金融方式には953クロー(US$2.02億)前後のギャップが存在する。一部の銀行や金融機関が約束しながらまだ実際に貸し付けていない57クロー(US$1210万)やプロモーターが注入することを約束した500クロー(US$1.06億)を配慮するなら、純差額は396クロー(US$8405万)になるが、IFCIによると、同差額を清算する目処は立っていない。
プロモーターが注入を約束した500クローの内50%が先ず払い込まれることになっており、西ベンガル州政府は107クローを、タタは35クローを既に払い込んでいるが、TCGはまだ107クローの払い込みを行っていない。
また969クロー(US$2.06億)の公募調達が実行できず、125クローのUTIローンも未返済なことから、HPLは様々な州政府機関から215クロー、金融機関から293クローの短期資金を調達した。
三菱商事から提供されたサプライヤーズ・クレジットの返済は既に開始されており、これらの返済額は、短期借入により賄われている。この種の支払いや短期借入資金、サプライヤーによる延べ払い便宜、顧客により提供される前払い等は、金融方式の実態を把握する上から見直しを加える必要がある。
HPLの借入/自己資本比率(DER:debt equity ratio)は極めて高く、プロモーターはコスト超過、試運転ロス、短期返済義務問題の解決とともに、無利子資金の注入を通じて異常に高いDERを正常に戻す必要があると言う。
|