2001-08-21 ArtNo.26853
◆Shantha Biotech、AP州における新規プロジェクト見合わせ
【ハイデラバード】遺伝子工学を応用しインドで初めてB型肝炎ワクチンを開発、またハイデラバードに進出したバイオテック企業の草分けでもあるShantha Biotechnicsは、アンドラプラデシュ州政府の地元バイオ産業に対する二面的態度に業を煮やし、60クロー(US$1277万)の新工場をアンドラプラデシュ州の外部に設けることを検討している。
エコノミック・タイムズとインディアン・エクスプレスが8月19日報じたところによれば、ShantTha BiotechnicsのVaraprasad Reddy重役(MD)は、このほど記者会見し、州政府が同社の実績を認めず、同社の製品を信頼せぬなら、最早アンドラプラデシュ州に新規投資を行わないと宣言した。
Reddy氏によると、ShantTha Biotechnicsは遺伝子組み換えワクチンを開発、世界の遺伝子学史上にインドの名を記した他、1999年5月にはナショナル・テクノロジー・アワードも受賞した。このため既に、国連児童基金(UNICEF)や国際製薬メジャーのPfizerに合計350万回分のB型肝炎ワクチンを納入する契約を獲得しており、デリー政府も予防接種プログラム用B型肝炎ワクチンを同社に発注した。アンドラプラデシュ州政府はこうした同社の実績を認めず、依然として予防接種用ワクチンを多国籍企業に発注した。
ShantTha Biotechnicsが60クローを投じて建設する新工場ではG-CSFやGM-CSF等の抗癌剤やインターフェロン・ワクチン、さらには心臓病薬ストレプトキナーゼ(Streptokinase)が製造される。
今日、インド政府が調達するポリオ、DPT、BCG等のワクチンは世界保健機構(WHO)の認可を得ていないが、同社はB型肝炎ワクチンに対するWHOの認可取得を目指している。これにより世界市場の開拓も容易になるはずと言う。
一方、アンドラプラデシュ州政府筋がエコノミック・タイムズに語ったところによれば、Shantha BiotechnicsとBharat Biotechの鎬を削る競争から、州政府はビル・ゲイツ夫妻の慈善団体Bill & Melinda Gates Foundationの支援を得た予防接種プログラムのワクチンをやむなく地元2社以外のソースから調達する方針を決めた。同ソースはWHOの認定も得た多国籍企業と言う。
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