【ニューデリー】インドの大手鉄鋼会社は、不況乗り切りや国際市場シェアの拡大を目指し、インド鉄鋼連盟(ISA:Indian Steel Alliance)の組織に向けた動きを活発化させている。
インディアン・エクスプレスが8月9日、Kishore Tripathy鉄鋼担当国務相の言として報じたところによれば、Steel Authority of India (SAIL)、Jindal Vijaynagar Steel (JVSL)、Ispat Industries、Essar Steel等の代表は最近、鉄鋼省と同問題を話し合ったが、参加各社のシェアに関してはまだ合意に達していない。ISAの組織は急激な値下がりに歯止めをかけるとともに、インド産鉄鋼製品の国際市場における競争力を強化することを目指しており、各鉄鋼品目市場には、地理的位置や競争的優位に基づき、ゾーンを設け、個々の企業の需要を満たすよう提案されている。目下、同組織への参加に消極的なTata Iron and Steel Company(Tisco)の説得が図られている。
ISAの設立は、国内鉄鋼会社が抱える過剰設備や国際的な市場規制問題の解決を目指して提案されたもので、例えば、HRコイルの価格は設備過剰から昨年のトン当たり1万6000ルピーから現在の1万2000ルピーに、4000ルピー下降した。
また年産300万トンのインド鉄鋼産業の世界市場シェアは僅か1%に過ぎず、米国が最近インドからの輸入に対する規制を強化したことから、状況は一層悪化しているが、鉄鋼連盟を組織することにより、東南アジア市場向け輸出等に弾みがつくものと期待されている。現在、東南アジア諸国と二国間貿易協定を結ぶ努力も払われていると言う。