2001-07-17 ArtNo.26572
◆インド/パキスタン首脳会議でパイプライン構想に弾み?
【ニューデリー】ウッタルプラデシュ州のアグラで15日に開始されたインド/パキスタン首脳会談には、経済や商業問題に関わるアジェンダは含まれていないものの、観測筋は、パキスタンを経由する野心的なイラン/インド・パイプライン・プロジェクトに関する交渉が平行して進められる可能性があると見ている。
エコノミック・タイムズが7月16日報じたところによれば、両国は多国間金融機関や多国籍石油・ガス・メジャーにプロジェクトへの参加を求め、プロジェクトの成功と安全確保を図るものと見られる。多国間金融機関としては、国際金融公社(IFC)と経済協力開発機構(OECD)、グローバル石油/ガス・メジャーとしては、British Petroleum(BP)、Shell、GDF、Unocalの名が挙がっている。
地元の石油メジャー、RelianceグループはBP及びNational Iranian Oil Companyと、イランに液化石油ガス(LNG)ターミナルを建設する覚書を結んでおり、仮に陸上パイプラインが実現すれば、同パイプラインを利用してイランのターミナルからガスを輸入する可能性がある。陸上パイプラインを利用した場合、他の方式でLNGを輸送するのに比して1mmbtu(ミリオン・メトリック・ブリティッシュ・サーマル・ユニット)当たり0.60~1米ドルコストを節約でき、年間ベースでは5億~8億米ドルを削減できる。
BPやUnocalは既にインド国内にパイプラインを設けており、取り分け後者は独自のパキスタン/インド間ガス・パイプライン構想を保持している。仮にShell、GDF、Unocal等をプロジェクトに引き入れることができるなら、パキスタンとの交渉も進めやすくなる。
またパキスタンはイランと親交を結んでいることから、イランがパキスタンを説得する役割を引き受ける可能性もある。パキスタンはまたパイプラインの国内経由を認めることにより、商業的利益も得られると言う。
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