SEAnews 2001-07-13 ArtNo.26538

【ニューデリー】インドの工業生産指数(IIP)の伸びは引き続き下降線を辿り、2001年5月には僅か1.9％と、昨年同月の6％から顕著な鈍化を見た。
エコノミック・タイムズとビジネス・スタンダードが7月12日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の暫定統計数字を引用し伝えたところによると、年初2ヶ月(2001/4-5)のＩＩＰ成長率は昨年同期の6.2％から2.6％に減速した。
ＩＩＰの3分の2以上の比重を占める製造業の5月の成長率は1.6％と、引き続き不振でＩＩＰ全体のスランプの主因になっている。製造業は昨年同月には6.2％の成長を遂げていた。また年初2ヶ月の成長率も昨年同期の6.6％から2.6％に鈍化した。
5月の電力指数の伸びは昨年同月の6.4％から2.8％に、年初2ヶ月のそれも5.1％から2.2％、それぞれ鈍化した。
しかし鉱業指数の伸びは引き続き改善、昨年5月の2.6％から今年5月の4.1％に加速、年初2か月のそれも3.3％から3.8％に復調した。
資本財部門は昨年5月には3.1％のプラス成長を遂げていたが、今年5月には0.9％のマイナス成長に落ち込んだ。年初2ヶ月についても昨年同期の6.4％のプラス成長から2％のマイナス成長を記録した。
耐久消費財部門の成長も昨年5月の27.5％から6.2％に失速、年初2ヶ月についても22％から6.4％に顕著な鈍化を見た。非耐久消費財の5月の伸び率は昨年同月の3.7％から1.9％に半減、年初2ヶ月の成長率も昨年同期の4.4％から3.7％に減速した。消費財部門全体の5月の伸び率は昨年同月の9.3％から3.1％に、年初2ヶ月の伸びは同8.4％から4.5％に、それぞれ鈍化した。
中間財部門の5月の伸び率は昨年同月の3.3％から1.2％に、年初2ヶ月のそれは4.5％から2.1％に減速した。
基本財部門の成長も昨年5月の6.1％から2.4％に大幅な鈍化を見、年初2か月の伸びも同5.5％から2.8％に減速した。
工業生産の伸びは、2年にわたる農業生産の落ち込みや世界経済の成長鈍化、輸出成長の減速に祟られ、ここ数ヶ月衰微の一途を辿っている。しかしエコノミストらは順調なモンスーンの到来で、国内経済が復調に転じるものと予想している。インド経済監視センター(CMIE:Centre for Monitoring Indian Economy)のRiyaz Khan主任マクロエコノミストは、「今年は農業生産の9％の成長が見込め、このため下半期には需要の回復が望める」と指摘した。