2001-06-29 ArtNo.26417
◆国際協力銀行、ダブホール・プロジェクト問題で警告
【ムンバイ】国際協力銀行(JBIC:Japanese Bank for International Cooperation)は先週、Dabhol Power Company(DPC)のインド国内債権銀行に対して、債務保証の請求権を行使する可能性を示唆、ダブホール紛争が発生して以来初めて警告措置をとった。
エコノミック・タイムズが6月28日伝えたところによれば、JBICの代表団は、先週ムンバイを訪れ、DPCの国内債権銀行を代表するIndustrial Development Bank of India(IDBI)幹部と会見、ダブホール紛争に対するその立場を表明した。JBICはBechtelを初めとするダブホール第2期プロジェクトの請負業者が撤収を宣言したのに伴い、警告を発したもので、建設工事請負契約の破棄は技術的に、外国債券銀行がインド国内金融機関に保証義務の履行を請求する引き金になる。JBICを初めとする外国輸出入銀行は、目下のところ同引き金を引くことを控えている。
IDBI、Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)、State Bank of India(SBI)、Industrial Finance Corporation of India(IFCI)は異なる外国輸出入銀行や他の外国債券銀行に対して5億2424万米ドルの保証を提供している。JBICは直接にダブホール・プロジェクトに対する2億5821万米ドルのエクスポージャーを有するが、同額に対する商業リスクはインド国内銀行により100%保証されている。
この他、1億7523万米ドルのローンに関しては90%の政治リスクと80%の商業リスクは日本通産省が保証を提供している。同ローンに関しては仮にインド金融機関が保証義務を履行しなかった際には、日本通産省が代わって保証義務を履行することになる。また9080万米ドルのローンについては同様にベルギー政府が保証を提供している。これらのローンはCitibank、BNP Paribas、Credit Lyonnais、Society Generale、ABN Amro、Bayerishche Hypovereinsbank、Credit Agricole、Dresdner、Standard Chartered Bank等の外国銀行により提供されている。
IDBI幹部は、JBICチームとの会談の席上、ダブホール第2期プロジェクトの請負契約は修復可能で、国内債権銀行は一層の資金を注入、第2期プロジェクトを完成させる可能性も検討していることを説明した。
DPCに対する14億米ドルの借款中、11億米ドルは既にDPCに貸付済みとなっている。外国債券銀行は、マハラシュトラ電力事業監督委員会がDPCとマハラシュトラ州電力局(MSEB)の紛争に先ず裁定を下すべきだとのボンベイ高裁の最近の判決に懸念を抱いているとされる。
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