【ニューデリー】応用経済調査全国委員会(NCAER:National Council for Applied Economic Research)は28日、雨期の降雨量が例年並みで農業生産が満足いけるレベルに達するなら今年(2001-02)の国内総生産(GDP)成長率は、昨年を上回る6.3％に達すると予想した。
インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥーが5月29日報じたところによると、ＮＣＡＥＲはその四半期経済報告書の中で、公共・民間投資の拡大と農業生産の3.5％の成長を前提に、ＧＤＰの6.3％の成長を予想しているが、その反面、財政赤字は新年度予算が掲げたＧＤＰの4.6％のレベルを上回る5％台に達する恐れがあると警鐘している。
ＮＣＡＥＲは今年の工業生産(鉱業を含むが電力を除く)は7％、サービス部門(建設/公益事業/国防を含むが運輸を除く)は7.9％、成長するものと予想している。
ＮＣＡＥＲは世界経済の動向、取り分け米国経済のスローダウンが、インドのＧＤＰ成長に影響を及ぼす可能性を指摘する一方、公共企業の政府持分処分が1万2000クロー(US$25.55億)に達し、中央政府の公共投資が5000クロー(US$10.65億)追加されるならＧＤＰ成長率は0.5％ポイント・アップするとしている。また民間部門が法人減税により手にした余剰資金を全て投資に振り向けるなら一層高率なＧＤＰ成長も期待できると付言している。それによると法人所得に対するサーチャージの撤廃で民間部門は3000クローの資金を手にするが、その50％が再投資される見通しだ。
ＮＣＡＥＲはこの他、輸出成長率(米ﾄﾞﾙ･ﾍﾞｰｽ)が昨年の20％から14％に鈍化、輸入成長率が13％に加速、経常収支の赤字がＧＤＰの0.6％にアップ、インフレ率が昨年の7.1％から6.1％に鎮静すると予想している。