2001-05-29 ArtNo.26146
◆金融業界、鉄鋼4社Essar/Jindal/Ispat/Lloydsの合併提案
【ムンバイ】鉄鋼産業に対する多額のエクスポージャーを有する金融業界は民間鉄鋼会社4社--Essar/Jindal/Ispat/Lloyds--の合併を提案した。
エコノミック・タイムズが5月28日報じたところによれば、これら4社が合併されるなら合計年産能力は980万トンに達し、国営Steel Authority of India Ltd(SAIL)の年産800万トンや民間最大のTata Iron and Steel Company Ltd(TISCO)の年産350万トンを追い越し、国内最大の鉄鋼企業が誕生することになる。合併構想は鉄鋼産業に対する巨額な債権を抱える金融機関が政府に提出したもので、目下、鉄鋼省により検討に付されている。
これらの金融機関の鉄鋼産業に対するエクスポージャーは合計約2万クロー(US$42.589億)と、金融業界のエクスポージャー全体の12%を占め、最大部分を成している。金融機関別ではIndustrial Development Bank of India(IDBI)の7000クロー(US$14.90億)が最大で、Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)の6800クロー(US$14.48億)がこれに次いでいる。不良貸付の貸付総額に占める比率でも鉄鋼業界はトップに立っており、金融業界を不安に陥れている。
合併提案はまだ初歩的なものだが、鉄鋼業界の大多数は懐疑的で、あからさまな嫌悪を示すものもある。Jindal VjaynagarのSajjan Jindal会長は、「技術も市場も持ち味も異なる企業を合併しても決して良好な結果は期待できず、経営状態の健全なJindal Vijaynagarが不健全な企業と合併されれば、経営効率の低下を招く」と反対の意を表明した。これに対してLloydsグループのMukesh Gupta会長は「鉄鋼業界の生存能力を強化することができる」と歓迎の意を表明した。しかしEssarグループの総帥Ruias氏は、「そのような話は聞いていない」とコメントを控えた。
Essar Steelの金融機関からの借入総額は2200クロー、Jindal Vijayanagar Steel Ltd (JVSL)は3000クロー、Jindal Iron and Steel Company(JISCO)は500クローとなっている。
合併を主張する金融機関は、そのコンセプト・ノートの中で、「関係する4社は財政難に直面しており、極めて脆弱な体質を抱えているが、合併により市場開放時代にも耐えられる強力な企業に変身できる。合計2万クローに及ぶ資産を有効に管理し、実行中のプロジェクトを完了できるだけでなく、1500クローを新規投資することもできる。合併後の企業の売上は1万3000クローにのぼり、金融面での生存能力は大幅に強化される」としている。
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