1995-08-02 ArtNo.2606
◆<星>昨年のインフレ、高所得者を直撃:統計局
【シンガポール】昨年シンガポールの高所得層(平均月収S$9233)は主に乗用車の値上がりで6.4%のインフレに直面、中所得層(平均月収S$2940)や低所得層(平均月収S$1093)の各2.5%/2.4%のインフレ率に比べ、深刻な打撃を受けたが、今年上半期の高・中・低所得層のインフレ率はほぼ同率(2.7%/2.2%/2.1%)に鎮静した。
統計局はこのほど国民の上位20%を占める高所得層、中位60%を占める中所得層、下位20%を占める低所得層ごとのインフレ率を発表した。それによると、低/中所得層の消費に占める各費目の比率は食費38.4%/33%、住宅費33.3%/23.8%、交通・通信費10.7%/13.5%と、いずれも食住中心であるのに対して、高所得層のそれは食費19.2%、住宅費19.4%、交通・通信費28.7%と、交通・通信費の比重が高い。このため高所得層は自動車の値上がりの直撃を受けたが、今年に入って自動車価格が安定したことから、3所得層のインフレ率はほぼ同水準となった。
統計局は92/93年度家庭支出調査の結果に基づき3所得層の支出に占める各費目の比重を算出している。また住宅価格は投機性が高いことから、住宅費の算出に際しては賃貸料/水道/光熱費/家庭用品のみが基準とされ、住宅価格は含まれていない。
所得層別のインフレ率の測定は1992年に首相により任命されたコスト調査委員会が提案したもので、統計局は今後1月と7月に所得層ごとのインフレ統計を発表すると言う。(ST,BT,LZ:8/1)
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