2001-05-09 ArtNo.25972
◆HMTインターナショナル、今年は売上25%アップ予想
【ニューデリー】工作機械の製造で知られる国営企業HMTの国際部門、HMT International(HMTI)は、今年(2001-02)は、昨年(400クロー)比25%増の500クロー(US$1.07億)の売上を見込んでいる。
エコノミック・タイムズが5月6日、HMTI幹部の言として伝えたところによれば、時計や工作機械の輸出に関わる少なからぬ手持ち契約が存在する上、複数のターンキー・プロジェクトや輸出契約のパイプが敷かれている。対米輸出の最大部分を占めるターンキー・プロジェクトに関しては、今年末までに複数の契約がまとまる見通しだ。
国内では時計のメーカーとして知られるHMTは目下、26億5000万ルピー(US$5675万)の組織再編に取り組んでいる。政府は2000年3月期年度に43億7000万ルピー(US$9358万)の累積損失を計上したHMTが、不採算子会社5社を閉鎖、3部門を子会社に統合することを認めた。こうして2000年4月に新会社HMT Machine Tools、HMT Watches、Chinar Watchesが誕生した。昨年(2000-01)は持株会社HMTとHMTベアリングズ及びHMTIのみが黒字で、子会社3社は何れも赤字を計上した。
消息筋によると、インド政府はCentral Metal Forming Institute、ウォッチ・ケース部門、照明器具工場、食品加工機械工場、ミニチュア・バッテリー部門を含む赤字経営の5部門の持分処分もしくは資産売却を検討しており、資産評価や依願退職スキームの立案等、準備が進められている。
HMTIは1974年の発足以来、中東、アフリカ、東南アジア諸国に顧客ベースを構築、HMTIのトラクターや工作機械は世界の70カ国で用いられている。最大の輸出品目はターンキー・プロジェクトで、これには職業訓練所の開設、産業コンプレックスの建設が含まれる。
中東、アフリカ、東南アジアの他、欧州市場にも小規模な輸出を行っており、また経済制裁解除後のイラク市場開拓に大きな関心を寄せている。同社は工作機械以外に、米、茶、砂糖、医薬品、海産加工品等の商品輸出も手掛けている。この種の商品輸出が1億ルピー(US$214万)、時計輸出が1億3000万~1億5000万ルピー(US$278万-321万)に達する。日本、香港、シンガポール、ドゥバイ等の市場ではカスタマイズされた時計の需要が高まっている。取りわけ日本では電子時計から伝統的な機械時計に関心が移行、1930年代のデザインを施したHMT製メカニカル・アーミー・ウォッチの人気が高まっていると言う。
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