SEAnews 2001-05-08 ArtNo.25965

【ニューデリー】ベンチャー・キャピタル・ファンド(VCF)の対インド投資は2000年にはほぼ10億米ドルにのぼったが、2001年には5億～7億米ドルに縮小する見通しだ。
エコノミック・タイムズが5月4日、ＶＣ会社InfinityのSaurabh Srivastava氏の言を引用し報じたところによれば、過去数年、ベンチャー・キャピタル・ファンド(VCF)の投資額は毎年倍増して来たが、今年はこうしたことを期待することはできない。インドにおけるＶＣ産業の動向をモニターしているウェブ・サイト、VentureKatalyst.comのレポートによれば、今年第1四半期(2001/1-3)のインドにおけるＶＣＦの投資額は5050万米ドルと、昨年同期の9195万米ドルから45％下降した。同数字は、今年通年の動向を暗示している。
インドの各産業部門に対するＶＣＦの投資件数と投資額の内訳を、今年第1四半期と昨年第1四半期について比較して見ると、情報技術(IT)サービス：7件1000万米ドル／1件225万米ドル(今年第1四半期／昨年第1四半期；以下同様)。ERP/Accounting S/W：1件30万米ドル／1件2022万米ドル。Internet Solutions：1件215万米ドル／3件1450万米ドル。Internet Infrastructure：3件600万米ドル／1件500万米ドル。Broadband：1件200万米ドル／1件222万米ドル。B2B：2件203万米ドル／1件88万米ドル。B2C：4件400万米ドル／14件4188万米ドル。Network Solutions：－－／1件400万米ドル。WAP：2件282万米ドル／－－。Animation：1件400万米ドル／－－。ISP：2件129万米ドル／－－。Media：1件500万米ドル／－－。Telecom：1件200万米ドル／－－。Embedded S/W：1件275万米ドル／－－。ASP：1件100万米ドル／－－。Investment Banking：300万米ドル／－－。その他：4件215万米ドル／2件100万米ドル。
今年第1四半期の合計は32件5049万米ドル、1件当たり平均197万米ドルであるのに対し、昨年同期の合計は25件9195万米ドル、1件当たり平均368万米ドルと、今年の数字は昨年を顕著に下回っている(ｿｰｽ：VentureKatalyst.com)。
株式市場同様、インドにおけるＶＣ産業も調整期を迎えている。例えばインドで活動する指導的ＶＣＦの1社Chrysalis Capitalはインドにおける200万米ドルの投資を抹消したと伝えられる。同社はこうした消息を否定したものの、対インド投資に再評価を加えており、今年に入って以来、新規投資を行っていないことを認めた。
ムンバイ拠点のE-venturesも、インドでは最早如何なる新規投資も行わない方針を明らかにした。これは大部分のベンチャー・キャピタリストが依然として強気な見通しを表明していた昨年後半の状況と大きな隔たりがある。
ChrysalisのLuis Miranda重役(MD)は、「純粋なインターネット企業が資金を調達するのは極めて難しい。これまでドットコム企業に資金を注入してきたＶＣＦは今や新資金を募集するのが非常に困難なことを自覚している」と語った。