2001-05-03 ArtNo.25927
◆地元バッテリー産業、輸入品の流入で深刻な打撃:IBMA
【コルカタ】年商2000クロー(US$4.28億)の国内鉛酸電池業界は、低価格な輸入品の流入と、変則的な税制により深刻な打撃を被っている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインとエコノミック・タイムズが5月1日報じたところによれば、インド・バッテリー製造業者協会(IBMA:Indian Battery Manufacturers' Association)のS. Chand副会頭は4月30日記者会見し、以上の消息を語った。
それによると、バッテリー完成品コストの50%を占める鉛と分離器には、バッテリー完成品と同じ35%の関税が課され、完成品には16%の消費税も課される。輸入バッテリーにも相殺関税が課され、国産品に課される消費税との均衡が図られているものの、基準価格が低めに設定されているため、依然として不平等なものになっている。バッテリーの国内価格は結果的に高水準になっている。このためIBMAはインド政府に、原料と完成品の輸入関税に少なくとも20%の格差をつけるよう求めている。ちなみに国産鉛はバッテリー産業の必要量の25%を満たしているに過ぎない。
商工省の統計によれば、2000年4-12月の間には25万9000ユニットの自動車用バッテリーが輸入され、輸入バッテリーは自動車用バッテリー市場の6%のシェアを占めた。特に四輪車用については11%、乗用車用は12%、大型商用車用は25%、トラクター用は11%となっている。2001年1-3月に関しては中国、韓国、日本、タイ、フィリピン、バングラデシュ、台湾等から輸入された自動車用バッテリーが36万ユニットに達したものと見られる。
産業用バッテリー市場については状況は一層深刻で、2000年4-12月の間に190万ユニットが輸入され、輸入品のシェアは30%に達した。総じて輸入品は国内各種バッテリー市場の8%のシェアを占めている。
国内業界は過去4、5年間に情報技術(IT)部門で必要とされるUPS(uninterrupted power supply)バッテリーの製造施設に約1000クロー(US$2.1413億)を投資して来たが、同部門でも同様な現象が生じている。
また南アジア地域協力連合(SAARC)諸国からの輸入に関しては、状況はさらに深刻で、政府はこれらの国からの輸入品に反ダンピング税を課していないばかりでなく、バッテリー完成品の輸入関税は17.5%に設定されている。
国内バッテリー業界の2000-01年度の輸出売上は70クロー(US$1499万)にとどまったと言う。
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