SEAnews 2001-04-23 ArtNo.25843

【ムンバイ】インドの医療機器市場は今年、1993年当時の2倍の6532クロー(US$13.987億)に達する見通しだ。
エコノミック・タイムズが4月21日、市場調査会社Frost & Sullivan(F&S)の報告を引用し伝えたところによれば、こうした成長は市場機会に機敏に反応する地元中小企業の能力に負うところが大きい。しかしGE、Agilent、Siemens等、一部の多国籍企業の市場シェアは縮小している。Ｘ線機器やモニター・システム等のロー・エンド市場では競争の過熱からここ2年ほど15～20％の値下がりが生じている。
また医療機器メーカー・トップ5、Wipro-GE、Siemens、Agilant Technologies、Philips、Datexの合計年商が800クロー(US$1.71億)に達している反面、65％の企業の年商は500万ルピー(US$10.7万)に達していない。
インド医療機器産業の2002年の成長率は引き続き12％のレベルを維持する見通しだ。こうした成長は家庭用診断機器や急成長する老人／女性層をターゲットにした製品により牽引されるものと見られる。政府の保健計画が成果をあげているマレーシア、タイ、フィリピン等のアジア諸国やブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリ等のラテン・アメリカ諸国向け輸出の潜在性も大きい。
多国籍企業は粗利益率40～60％のハイエンド・テクノロジー製品市場に照準を合わせているのに対して、地元企業は粗利益率20～25％のロー・エンド製品市場を主要なターゲットにする見通しだ。目下同業界の研究開発(R&D)支出は総売上の1％に過ぎないが、この方面の投資も今後拡大するものと見られる。