【ムンバイ】今年2月に世界の貧困者に1日1人当たり1米ドルでエイズ薬を提供すると提案、国際社会を驚かせた地元の製薬会社Ciplaは12日、エイズ治療薬を初出荷した。
エコノミック・タイムズが4月12日報じたところによると、CiplaのAmar Lulla重役(共同MD)はロイター通信にエイズの三剤(stavudine/lamivudine/nevirapine)併用薬をカンボジア向けに少量出荷、別にナイジェリア、ジンバブエ、カメルーン向け供給交渉を進めていることを明らかにした。それによるとCiplaは国際慈善団体Medecins Sans Frontieresに患者1人当たり年間350米ドルで供給することで、後者と合意に達した。MSFは同薬品を無料でエイズ患者に提供する。
米国における同三剤併用薬の1患者当たりのコストは年間10400米ドルで、米国の製薬会社Bristol-Myers Squibbがstavudineの、また英国のメジャー、GlaxoSmithKlineがlamivudineの、そしてドイツ企業Boehringer Ingelheimがnevirapineの、それぞれ特許権を有する。GlaxoのJ P Garnier重役(CEO)はCiplaのオファーは海賊行為と非難したが、Ciplaのオファー後、国際製薬会社は大幅な値下げを行った。GlaxoSmithKlineは2月末、慈善団体にエイズ薬品をディスカウント価格で提供する方針を発表、Bristol-Myersは3月半ばにエイズ薬Zerit(stavudine)とVidexをアフリカのエイズ患者に1日1人当たり1米ドルで提供すると声明、Merck and Coも2種類のエイズ薬CrixivanとStocrinを、途上国に低価格でオファーする計画を明らかにした。