2001-04-16 ArtNo.25783
◆SPIC、PTA/PFYプロジェクトを別個に推進
【チェンナイ】インド政府がNational Aromatics and Petrochemicals Ltd (Arochem)合弁事業からChennai Petroleum Corporation Ltd (CPCL:旧社名Madras Refineries Ltd)が手を引くことを認めたためSouthern Petrochemical Industries Corporation Ltd (SPIC)が、Arochem事業を完全掌握することになるが、当初予想されたのとは異なり、PTAプロジェクトを進めるArochemとPFYプロジェクトを進めるSPIC Petrochemicals Ltd (SPC)を、異なる企業として経営、両社を合併する考えはないようだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月12日報じたところによれば、SPIC筋はPTA/PFY事業を合併せぬ理由として、PTAプロジェクトは製油会社や石油化学会社が手掛けているのに対し、PFYに関心を寄せているのは主に製造会社で、両事業を共に手掛ける合弁パートナーを物色するよりも、個別にパートナーを物色した方が容易な点を指摘した。
消息筋は、「SPICは2社乃至3社と合弁交渉を進めているが、交渉が合意に達するのは、マドラス高裁がSPICプロジェクトに対する判決を撤回した後のことになる」と指摘した。しかし政府閣僚委員会がSPICとCPCLの示談覚書(MOS:Memorandum of Settlement)草案を承認したことから、両社は2、3週間中にもMOSに調印、MOSが正式調印されれば、高裁もSPICに対する命令を撤回するものと予想される。
SPICとCPCLは1989年に合弁会社Arochemを設立、PTA/PFY事業に乗り出した。MRLはこの種の事業を進めるライセンスを有し、原料を供給できる。これに対してSPICは資金とマーケッティング・ノーハウを合弁会社に提供できる。しかし石油化学市場が開放され、単独でも市場参入できることになったことから、SPICはSPIC Petrochemicals Corporationを設立、同様の製品を製造する動きを見せた。しかしMRLの異議申し立てを受けた高裁は、SPICにプロジェクトの停止を命じた。
今やSPICとCPCLは近日中にMOSに調印する見通しだが、大幅に遅延したプロジェクトが依然として採算性を有するかに疑問を呈する向きもある。チェンナイ北方Manaliに建設中のSPCの石油化学コンプレックスにはこれまでに既に1300クロー(US$2.78億)近くが投資され、PFYプラントはほぼ完成、12ヶ月以内に操業を開始できる。PTAプロジェクトはまだ8%ほどだが、世界の他の新規プロジェクトに少なくとも1年先行している。1300クローの内900クローは借入で賄われたが、SPIC筋は金利負担等の詳細を語るのを避けた。
SPICはパラキシレン製造事業を進めるため別にSPIC Aromaticsと称する新会社を設けているが、消息筋によると、現在パラキシレンは容易に輸入できる上、SPICには2つのプロジェクトを同時に進める資金も時間もないため、同新会社は今後もペーパー会社のまま維持される見通しと言う。
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