【ニューデリー】今年2月の工業生産成長率は昨年同月の8.2％から0.6％に顕著に鈍化、アナリストらも国内経済のあまりの急速な成長鈍化に唖然としている。
エコノミック・タイムズ電子版が4月12日、ロイター電を引用し報じたところによれば、国内工業の牽引役を務める製造業の2月の成長率は、前年同月の8.5％から0.6％に減速、年初11ヶ月(2000/4-2001/2)の工業生産の伸びは、前年同期の6.5％から5.1％に鈍化した。
デリーを拠点とする経済成長研究所(IEG:Institute of Economic Growth)のB B Bhattacharya氏は「これは工業部門の不振が極めて根深いことを示している」と指摘した。同氏によると、今回の工業生産のスローダウンは1月に次いで、連続2ヶ月目で、今年1月の成長率は昨年同月の4.9％から2.8％に鈍化した。またこれ以前に発表された中核インフラ産業6業種(電力/石炭/鉄鋼/石油/石油精製/ｾﾒﾝﾄ)の今年2月の成長率は、1.4％のマイナス成長を記録した。こうした成長鈍化は国内の投資需要に影響を及ぼす見通しで、急成長を遂げるサービス部門にも陰影を投じている。ＩＥＧは3月の工業生産成長率を4～5％と予測して来たが、2月の予想以上の不振から3月の成長予測も下方修正する必要が生じた。
政府は2000－01年度のＧＤＰ成長予測を6.4％から6％に下方修正したが、2001－02年度の6.5％の成長予測も実現する可能性は極めて疑わしくなったと言う。