SEAnews 2001-03-21 ArtNo.25534

【ニューデリー】液化天然ガス(LNG)輸送を巡る技術／商業／価格入札のオープン後、Petronet LNG Ltd(PLL)は困難な選択を迫られている。
エコノミック・タイムズとヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月20日報じたところによれば、13万8000立米のＬＮＧタンカー2隻の建造と運用を含む長期海運契約の最終入札には、1)Shipping Corporation of India(SCI)／商船三井／日本郵船／川崎汽船チーム、2)Great Eastern Shipping Company(GREAT)／Indian Oil Corporation／ベルギー企業Exmarチーム、3)Essar Shipping Ltd(ESL)／Malaysia International Shipping／SCIチームが応札、商船三井チームは2隻のタンカーの1日当たりのチャーター料として一律6万8900米ドルの最低価格オファーした。これに対してＧＥＳＣＯチームは2隻のタンカーに7万3680米ドルと8万2250米ドルを、ＥＳＬチームは7万9900米ドルと8万1000米ドルを、それぞれオファーした。
商船三井チームは他の2チームのそれを大幅に下回るチャーター料をオファーしたものの、明瞭な技術的エラーを犯した。ＰＬＬはエスカレーション・ファクターを入札条件に含め、入札者に価格上昇を年間ベースのパーセンテージで示すよう求めたが、商船三井チームは入札価格を米国の消費者物価指数(CPI)にリンクさせた。
これは明かなミスで、ＧＥＳＣのP R Navre財務担当取締役は、「これではＬＮＧタンカーのライフ・サイクル・コストを比較することはできない。ＰＬＬが商船三井チームを選ぶとすれば、米国経済が健全さを維持するとの仮説をベースにする他ない」と指摘、ＥＳＬ幹部も入札の審査は公正でなければならないと強調した。
ＧＥＳＣＯチームはエスカレーション・ファクターとして最初のタンカーに年率3％、2番目のタンカーに4％を、ＥＳＬチームは一律3％を提示した。
ＰＬＬはチャーター料の大きな差から商船三井チームの入札を無効にするには忍びないものと見られるが、ＧＥＳＣチームは、ＰＬＬが商船三井チームを選ぶなら法廷に訴える姿勢を見せている。
ＰＬＬの選択可能なオプションには次の3つが考えられる。1）商船三井チームに改めてエスカレーティング・エレメントの設定を求める。しかしこれは中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)が禁止するポスト・テンダー・ネゴシエーションと見なされる恐れがある。2）政府の入札規定に基づき他の入札者により提示された最高のエスカレーティング・エレメントを適応して、商船三井チームの入札価格を審査する。3）入札をやり直す。