2001-03-07 ArtNo.25405
◆リライアンス、PTA/MEGの輸入関税引き下げで打撃も
【ムンバイ】新年度予算案が高純度テレフタル酸(PTA)やモノエチレングリコール(MEG)等の輸入関税を27.5%(10%のサーチャージを含む)から20%に引き下げることを提案したことから、PTA/MEGの世界的生産者に数えられるReliance Industries Ltd (RIL)のボトム・ラインに影響が出そうだ。
インディアン・エクスプレスが3月5日報じたところによれば、PTA/MEG等のポリエステル中間材の関税は、これまで完成品の合成繊維やヤーンのそれを上回っていたが、国内合成糸業界の要望を受け入れ、政府は国内繊維業界に不利な転倒した税制に見直しを加えた。
しかしRILは輸入関税の引き下げにより、PTA/MEGの国内価格を自由に設定することが困難になり、価格の実現面で圧力を受けそうだ。RILの1999-2000年度のPTA売上は60万MT/1756.8クロー(US$3.76億)と、同社営業額全体のほぼ12%を占め、MEG売上は20万MT/707.6クロー(US$1.5億)と、同約5%を占める。
新年度予算案はまたポリエステル・チップの輸入税も38.5%(10%のサーチャージを含む)から25%に一層大幅な引き下げを行っており、こちらもRILのポリエステル・ビジネスに影響を及ぼしそうだ。ポリエチレン・テレフタレート(PET)から製造されるポリエステル・チップはやはり合成糸の原料として用いられる。RILのPET売上は270.9クロー(US$5801万)と、営業額全体の1.5~2%を占めている。
とは言え国内ポリステル市場の47%のシェアを握るRILは、全ての主要原料を自給できる国内唯一の総合的な石油化学会社のためIndian Petrochemicals Corporation Ltd (IPCL)等、他の国内の石油化学会社に比べるなら、この種の環境変化に対応するより強力な能力を備えている。
しかし、過去2、3年間に積極的な企業買収を通じて14万トン以上のポリエステル製造能力を築いたRILは、今後予想される一層厳しい環境に備える必要がありそうだ。ヤシュワント・シンハ蔵相は、その予算演説の中で世界貿易機関(WTO)との合意に基づき3年以内に全ての輸入税を20%に引き下げる方針を明らかにしている。
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