SEAnews 2001-01-19 ArtNo.24970

【ムンバイ】昨年12月のセメント出荷量は、全国の主要市場の需要軟化に加え、セメント業界の大規模な事業再編から10％の落ち込みを見た。
エコノミック・タイムズが1月18日、セメント製造業者協会(CMA)幹部の言として伝えたところによれば、先月の出荷量は700万トンを若干上回った程度で、一昨年同月の820万トンを10％前後下回ったものと見られる。年初9ヶ月(4-12月)の出荷量は前年同期の6800万トンを上回る6950万トンに達したものと見られる。昨年12月のセメント生産量は750万トン前後で、年初9ヶ月のそれは6700万トン前後と予想される。このため今会計年度(2000-01)を通じた出荷量の成長率は、1999－2000年度の15％の伸びから大幅に鈍化、3～4％程度にとどまる見通しだ。
先月の出荷量の落ち込みは、ここ数ヶ月来最も大幅なものだが、これは主にACC、Gujarat Ambuja Cements、Larsen & Toubro、India Cements、Grasim Industries等の大手セメント会社が11月の生産を削減したのに伴うもので、アナリストらによるとセメント・メーカーは、価格の回復を促すものなら、敢えて出荷量を削減する構えとされる。
しかしGujarat Ambuja Cements幹部は、需要は改善しつつあると述べ、1月の出荷量は800万トン近くに達するものと予想した。昨年の1－3月期は建設活動が活発化し、セメント業界にとっては最良の時期だったが、観測筋は今期は、建設業者らが過去2ヶ月のセメントの大幅な値上がりに対する抗議行動をとったことから、セメント業界の春が再来することはないものと予想している。