【ムンバイ】インド経済監視センター(CMIE:Centre for Monitoring Indian Economy)は9日、2000-01年度のインドの国内総生産(GDP)成長率が5.8%にとどまるとの見通しを発表した。
ザ・ヒンドゥー、エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月10日伝えたところによれば、CMIEのステートメントは、「今年上半期(2000年4-9月)のGDP成長率は前年同期の6.3%から5.9%に下降したが、残る2四半期にも改善の兆しは見られない」とコメントしている。
CMIEはまた工業生産の伸びが1999-00年の8.1%から5.5%に大幅に鈍化すると予想している。それによると、2000年4-10月の工業生産指数(IIP)の成長率は5.8%と、前年同期の6.6%から既に顕著な鈍化を見ている。昨年7月の金利引き上げと石油製品価格の上昇が、こうした成長鈍化に追い打ちをかけた。
輸出成長は唯一の明るい材料と言え、通年で17-18%の伸びが見込める。これは1999-00年の13%を上回る。とは言え、国際収支全体の状況はそれほど良好とは言えない。経常収支の赤字は1999年にはGDPの0.9%だったが、サービス収支の純流入が120億~130億米ドルにとどまり、輸入成長率が前年の11.5%から12-13%に加速したこと等から、今年の赤字はGDPの1.4%に拡大するものと見られる。
今年上半期の農業成長率は前年の4.2%から1.1%に鈍化したが、全般的な農業生産の不振から下半期も不振が持続、通年の成長率は0.6%にとどまるものと予想される。農業生産の2年連続の不振は、工業製品需要にもネガティブな影響を及ぼす見通しだ。
サービス部門は唯一の例外で、2000-01年度上半期に7.8%の成長を記録、前年同期の7.2%を上回った。しかし農業/工業部門の成長鈍化のサービス部門に対する影響が懸念材料と言う。