【ムンバイ】インド鉄鋼業界の亜鉛鍍金鋼板製造能力は270万トンに達するのに、国内需要は120万トンに過ぎず、同業界は深刻な設備過剰に直面している。
インディアン・エクスプレスが1月2日報じたところによれば、亜鉛鍍金鋼板業界は現在年間生産レベルを200万トンに引き下げ、50万トンを輸出しているものの、依然として30万トンの製品が市場に滞留している。国内の大部分の冷間圧延業者は、取り分けタタが自動車産業用亜鉛鍍金鋼板市場に参入して以来、輸出市場に目を向けている。
アナリトらはデリー拠点のBhushan Steel and Strip Ltd(BSSL)が750クロー(US$1.6億)を投じて年間製造能力50万トンの冷間圧延(CR)スチール・プラントを建設するなら、インド国内のCRスチール市場は一層深刻な供給過剰に陥ると見ている。BSSLはCRプロジェクトを暫時棚上げしたものの、自動車産業向け亜鉛鍍金鋼板市場は自動車業界の成長鈍化から深刻な圧力を受けている。
こうした中で金融機関は鉄鋼業界への新規融資を控えている。Industrial Development Bank of India (IDBI)の鉄鋼産業に対するエクスポージャーは14.3%に達し、同行は上流部門にしろ、下流部門にしろ、これ以上鉄鋼プロジェクトへの融資は行わない姿勢だ。Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)スポークスマンも同行のエクスポージャーは7%を越え、鉄鋼プロジェクトには関心がないとしている。
BSSLはマハラシュトラ州の工場で下流部門のCRスチールや亜鉛鍍金鋼板を製造、製品の70%を輸出することを計画、外国金融機関からのローン取り入れも検討していた。