【ムンバイ】インド鉄鋼業界は国際鉄鋼価格の大幅な値下がりに対応し、また国内市場の供給過剰を回避する狙いから何らかの制限措置を導入する可能性を検討しているようだ。
エコノミック・タイムズが12月6日報じたところによると、鉄鋼業界筋は生産削減措置が採用される可能性を示唆した。消息筋は具体的な削減幅を明らかにすることを避けたが、同紙は20%程度の削減が行われる可能性を予測している。
しかしながら金融機関筋は生産削減案にさして関心を示さず、「その種の措置は一時的なものに過ぎず、国内鉄鋼業界はコスト削減に努力する必要がある」としている。
金融機関は鉄鋼業界の再建策として債務再編を提案しており、これらには債務の資本への転換が含まれる。金融機関幹部によると、これにより鉄鋼会社は重い利子負担から解消されるが、金融機関の発言権が強化される。しかしそのことは鉄鋼会社のビジネス・バリューを高めることにつながると言う。ちなみに鉄鋼産業の累積投資は9万クロー(US$194.5億)にのぼり、その3分の1が金融機関により融資されている。
今年上半期(4-9月)の鉄鋼完成品の生産は12%、粗鋼生産は10%、それぞれアップ、熱間圧延コイル(HRC)の消費量は昨年同期の270万トンから350万トンに28%拡大した。
主要鉄鋼会社のHRC生産能力はSteel Authority of India Limited(SAIL)980万トン、Tata Iron and Steel Company (Tisco)350万トン、Essar Steel Ltd(ESL)220万トン、Jindal Vijayanagar Steel Ltd(JVSL)160万トン、Ispat Industries Ltd150万トンで、Tiscoの今年9月期四半期のHRC生産量は昨年同期の74万8253トンから83万4906トンに拡大、昨年通年の生産量は326万2052トンだった。ESLの今年上半期のHRC生産量は昨年同期の72万トンから87万トンに21%アップした。
SAILの今年第1四半期(4-6月)の販売可能な鉄鋼製品の生産量は昨年同期の230万トンから250万トンに、溶銑の生産量は270万トンから290万トンに、それぞれ拡大している。