【カルカッタ】国際鉄鋼価格が上昇に転じる中で、インドの大手鉄鋼メーカーも値上げの準備を整えている。Steel Authority of India Limited(SAIL)とTata Iron and Steel Company (Tisco)は平鋼、取り分け熱間圧延コイル(HRC)の値上げを検討しており、業界消息筋は12月初旬にもこうした動きが具体化するものと予想している。
エコノミック・タイムズが12月2日伝えたところによれば、国内市場の60%のシェアを占める両社は過去数ヶ月間に既に条鋼価格を引き上げている。
両社の値上げ戦略は市場の受容度にかかっており、もしトン当たり500~700ルピーの値上げを市場が受容しないと判断すれば、12月から来年1月の間に比較的小幅な値上げを行うものと見られる。
米国と欧州連合(EU)市場におけるHRCの価格は、2000年5月以来、トン当たり35~40米ドル下降し、230-250米ドルで取り引きされており、独立国家共同体(CIS)の価格はトン当たり210-220米ドルから190-200米ドルに下降した。しかし米国/EU市場では過去4週間にトン当たり10米ドルほどの値上がりが生じている。国際鉄鋼価格の下降は底入れしたように見え、観測筋は初歩的な値上がり基調が持続するか否かに注目している。
今年5月以来の平鋼国際価格の値下がりや輸出の落ち込みに関わらず、インド鉄鋼業界大手は今年上半期に6.7%の売上の伸びを実現した。HRC売上は16%アップ、熱間圧延シートを除き、他の平鋼の売上も上昇基調を辿っている。プレートは22.9%増の90万トン、CRコイル/シーツは26%増の150万トン、電気メッキ・シートは6%増の65万トンとなっている。