2000-11-13 ArtNo.24363
◆ラファージュ、バングラデシュ国境にセメント製造施設
【ニューデリー】年商110億米ドルの仏セメント・メジャー、Lafargeはインド北東部のメガラヤ州で採取した石灰岩を全長17キロのベルトコンベアーでバングラデシュに輸送、同地に年産120万トンのセメント工場を建設することを計画している。
インディアン・エクスプレスが11月9日報じたところによれば、ラファージュはメガラヤにおける石灰岩の採掘を行うため、地元企業Lum Mawshum Minerals Private Ltdと74:26の出資率で合弁会社Lafarge Surma Cements Ltdを既に設立しているが、石灰岩の採掘権は依然として地元パートナーが保持、まだ合弁会社に移転されていない。
プロジェクト・コストは200クロー(US$4322万)と見積もられ、第1期プロジェクトでは90クロー(US$1945万)が投じられる。当初の年間生産量は200万トンで、最終的に500万トンに拡大される。年間44クロー(US$950万)の外貨収入が見込まれる。土地は賃借され、7年間の販売税免除と10年間の消費税免除が約束されている。メガラヤ州政府には年間約9クロー(US$194.5万)のロイヤルティーが支払われる。
しかし国境を跨いだ17キロのコンベアベルトの安全を如何に確保するかと言った問題が残されている。
インド・セメント業界は現在年間50万トンほどのセメントをバングラデシュに輸出しているが、ラファージュの計画が具体化すれば、この内50%のビジネスを奪われると懸念する向きもある。
インド・セメント業界は既に中国との競争に直面しており、インドのセメント及びクリンカー輸出は1998-99年度の351万トンから2000年3月期の314万トンに、11%下降した。バングラデシュ向け輸出も同期間に53万4000トンから52万8000トンに縮小した。中国のセメント製造能力は1998年時点で5億3000万トンと、インドの8720万トンの6倍以上で、インドのバングラデシュ向けセメント輸出の下降は低コストな中国製品の流入によるものとされる。ラファージュがバングラデシュ市場に進出するなら、インドの輸出は一層の落ち込みを見る見通しだ。
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