SEAnews 2000-10-16 ArtNo.24082

【ニューデリー】マレーシアの国産車メーカーProtonは、地元Hindustan Motors (HM)と手を結びインド中型乗用車市場にProton Wiraを投入する計画を放棄したようだ。
インディアン・エクスプレスが10月13日報じたところによれば、プロトンとの覚書は今年末に期限が切れるが、CK Birla groupの旗艦ＨＭは延長を求めぬ方針だ。ＨＭ幹部によると、中型車市場は既に競争が過熱しており、仮にプロトンがIkonレーンジの中型車をオファーできるなら、検討するが、プロトンがオファーする製品は三菱ランサーと同じカテゴリーに属するもので、1.3リターと1.5リターのウィラの価格はほとんどランサーと同水準である。しかしＨＭとプロトンの提携関係は今後も維持され、覚書の失効と同時に関係を断つわけではないと言う。
関係覚書の下、2000年第4四半期にウィラの生産が開始され、当面3000台が製造されるはずだった。またインド政府の自動車産業政策の下、外国自動車会社は最低5000万米ドルを投資することが義務づけられているが、プロトンはインド子会社を通じてそのような額を投資することを望んでおらず、世界貿易機構(WTO)の規定に基づき2001年4月に数量制限が解除されるまで観望する姿勢をとっている。
一方、エコノミック・タイムズ、インディアン・エクスプレスが10月12日伝えたところでは、ＨＭは技術提携を結ぶ三菱と、製品レーンジの拡大について交渉を進めている。目下ランサーの製造を手掛けているＨＭのチェンナイ工場のキャパシティーにはゆとりがある。遊休施設の利用は同社の赤字対策にもつながる。年間生産能力1万2000台のチェンナイ工場は今年上半期(4-9月)にランサー4024台を出荷したが、昨年同期の4200台を下回った。
ＨＭはまた不十分な流通網が売上下降の原因と見、ディストリビューション網の拡張に力を入れる方針だ。ＨＭのBK Chaturvedi社長によると、同社は全国にディーラー92社を擁し、内40社強がランサー、約25社がTrekkerのセールスに当たっている。しかしこれでは十分でなく、取り分け郊外や農村部の開拓は望めない。このため非都市部におけるディストリビューション網の強化を重点に流通網の拡張・再構築を図っていると言う。