2000-10-11 ArtNo.24047
◆第9次5カ年計画の不成績で第10次計画の前途に陰影
【ニューデリー】第9次5カ年計画期間に顕在化した公共投資やキー産業部門の不振が、第10次5カ年計画にも陰を落としており、バジパイ首相が年率9%の経済成長を達成するよう督励したにも関わらず、計画委員会(Planning Commission)は第10次5カ年計画の成功をそれほど楽観していない。
インディアン・エクスプレスが10月8日報じたところによれば、計画委員会の報告書は、第10次5カ年計画期間も物理/社会インフラに対する公共投資の低調が予想され、成長を加速する波及効果は期待できないとしている。公共投資の実行率は第8次5カ年計画期間の85%以上から第9次5カ年計画期間の約81%に下降した。
第9次5カ年計画中の最初の3年間における中央政府の財政支出は当初見積もりを8.6%下回り、中央公共企業の予算支出も同18%下回った。州公共部門段階では当初見積もりの僅か44.4%が実際に支出され、こうした支出が借入に依存する度合いも高まった。
第8次5カ年計画では国内総生産(GDP)は年率6.5%の成長を見た。第9次5カ年計画期間の成長目標は当初の7%から6.5%に下方修正されたが、下方修正後の目標を達成するのも不可能になった。第9次5カ年計画の当初3年間のGDP成長率は6.1%で、仮に全体で6.5%の成長を実現するには、残りの2年間に平均7.1%の成長が達成されねばならないが、今年第1四半期の成長率は5.8%にとどまった。
国内経済の主要部門を成す農業と製造業が第9次5カ年計画の目標成長率3.9%と7.1%をマークすることは最早望めない。最初の3年間の農業の平均成長率は2.7%、製造業のそれは5.3%で、このため両部門は残る2年間に5.7%と10.25%の成長を実現する必要がある。しかしこれはほとんど不可能と言う。
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