2000-10-09 ArtNo.24014
◆インド・ソフトウェア産業の前途に陰影:Fitch
【カルカッタ】インドの総輸出に占めるソフトウェア輸出のシェアは現在(1999-2000)の15.5%から2008年には35%に拡大するものと予想されているものの、輸出のトレンドとコンフィギュレーションには将来の成長を阻害する兆候も目にされる。
エコノミック・タイムズが10月6日報じたところによると、国際信用格付け会社Fitch Ratingsのインドに関する最新評論は以上の指摘を行っている。それによると、インドのソフトウェア輸出は、米国市場に偏重しており、1998-99年度のソフトウェア輸出の62%が米国/カナダに向けられたが、米国の世界市場におけるシェアは徐々に縮小している。
またソフトウェア輸出の61%がトップ25社の企業によるもので、規模の経済性や国際的なコスト競争力を備えた企業が少ない。20億米ドルに満たない小さな国内市場とパーソナル・コンピューター(PC)の普及率の低さがこうした状況の背景をなしている。
加えてソフトウェア輸出はソフトウェア・サービス輸出に偏り、ソフトウェア製品輸出は育っていない。ソフトウェア企業の時価総額は1999年1月の40億から2000年6月の550億米ドルに急成長した。こうした成長はインドのソフトウェア・サービスに対する需要の拡大を反映しているものの、ソフトウェア製品パッケージ産業は、低コストなマンパワーの存在にも関わらず成長していない。これは海外ソフトウェア・パッケージ市場の垣根が、ソフトウェア・サービスのそれに比べ高く、またインドのデベロッパーが急速に変化する海外のソフトウェア・パッケージ市場の動向を把握していないため。
この他、不十分なテレコム・インフラ、帯域不足、国際水準とかけ離れた通信料金等も、インドソフトウェア産業の将来に陰を落としていると言う。
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