2000-09-29 ArtNo.23928
◆信用格付け会社、インドの先行きに1年前より悲観的に見通し
【ムンバイ】信用格付け会社Moody's Investor Servicesはインドの信用度に関して1年前ほど楽観的ではなくなっている。
エコノミック・タイムズが9月28日報じたところによれば、ムーディーのアナリストKristin Lindow女史は同紙に以上の消息を語った。それによると、昨年は、1990年代後期の連立政権がいずれも短命に終わった後、現政権下に政治が安定することに対する期待が高まった。しかし今年は昨年に比べ対外収支の不均衡と財政赤字が悪化している。
国際的な原油価格の上昇で、インド政府は国内石油製品価格への配慮を拡大せざるを得ないが、石油製品に対する政府補助は、財政赤字の拡大を招く。政府は政治的リスクを犯しても、何らかの決断を下さねばならない状況にある。政府が石油製品価格を引き上げないなら、石油プールの赤字は今会計年度末までに50億米ドル以上に膨張する見通しだ。また中央政府と地方政府、そして公共企業の財政赤字は1999年度国内総生産(GDP)の10%に達しようとしている。こうした中で、政府は9月29日の補欠選挙後に石油製品価格の引き上げを行うものと予想されている。
とは言えLindow女史によると、見通しの改善が早いか、遅いかの問題で、インドの信用格付けに対する下方圧力は存在しないと言う。ちなみにムーディーはインドの外貨建て及びルピー建て債券にBa2の格付けをしており、これはジャンクボンドに属する。
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