【クアラルンプル】国際ホテルの大挙進出で、客室の過剰供給と値下げ競争が発生するものと懸念されている。
マレーシアへの新規進出や既存チェーンの拡張を図る国際ホテル・グループには、グランド・ハイヤット、JWマリオット、ニッコー、ルネサンス、ニュー・ワールド・デベロプメント、コンラッドが挙げられる。サバルディン・チック観光相によると、今年だけで2万3600室が新規供給され、国内客室総数は94年比35.5%増の9万室に達する。マレーシア・ホテル協会(MAH)副会長を務めるクアラルンプル・ヒルトンのアンドレス・ボサード支配人は、クアラルンプル市内だけで97年までに既存の1万8000室に、4000室が追加されるが、市場が吸収できるのは年間800室までと語る。同氏は、もしこれらの客室が実際に市場に供給されれば、客室稼働率の急降下、従業員の深刻な不足、値下げ競争の過熱は避けられないとし、平均客室稼働率は94年の75%、95年の72-73%から97年には55%に落ち込むと予想した。シンガポール拠点のHorwath Asia Pacific(S)は「1995-2000年の間にクアラルンプル市内だけで6632室の客室が新規供給され、増加率は年率16%となるが、同期の需要の伸びは13.5%にとどまり、客室稼働率は95年の72%から98年の51%に下降する。しかし99年には58%に回復する」と予想している。(BT:7/14)