【ムンバイ】デリー拠点のBhushan Steel and Strips (BSS)の750クロー(US$1.64億)冷間圧延鋼(CRS)プロジェクトは金融機関の融資が得られず立ち往生している。
インディアン・エクスプレス(IE)が9月18日報じたところによれば、BSSから融資依頼を受けた金融機関は、現状では鉄鋼プロジェクトへの新たな貸付はできないとの姿勢を示したとされる。Industrial Development Bank of India(IDBI)筋はIE紙に対してスチール部門へのエクスポージャーは既に14.3%に達しており、上流部門にしろ下流部門にしろスチール・プロジェクトへのこれ以上の融資はできないと語った。Industrial Credit and Investment Corporation of India(ICICI)のスポークスマンも鉄鋼部門への融資には関心がないとしている。それによると同行の鉄鋼部門へのエクスポージャーは7%で、これまでに実際に貸し付けた額は1万2816クロー(US$28億)にのぼると言う。
しかしBSSのSanjay Singhal会長は、年産50万トンのプロジェクトへの融資に応じる金融機関は依然として存在するとの楽観的見通しを語った。それによると新プラントはCRSや亜鉛鍍金鋼板等、下流部門製品を製造、製品の70%は輸出される。プロジェクトは2期に分けて進められ、400クローと見積もられる年産25万トンの第1期分の準備を目下進めている。外国金融機関から100クロー、国内金融機関から150クローを借入、残りの150クローは内部資金で賄う。
BSSは北部を拠点としているが、輸送面で輸出に支障を来している。このため今回のプロジェクトを通じて急成長するインド西部地区に進出すると同時に、輸出の拡大を図る。新プラントは、欧州、米国、中東の需要にも応じる。この他、新プラントは南部のロー・エンド・マーケットに亜鉛鍍金製品を供給、またクローズド焼鈍炉(annealing furnace)を設け、CRSのバラエティーを拡大、輸出潜在性を高める。新プラントには12MW(メガワット)の発電施設も設けられると言う。