2000-08-22 ArtNo.23494
◆インドIT業界、森首相の訪問機に日本の制裁措置緩和期待
【バンガロール】インド情報技術(IT)産業界は概して森喜朗首相のインド訪問を歓迎しているが、仮に日本のインドに対する規制措置が解除されないなら、首相の訪問もさしたる成果は期待できないと見ている。
インディアン・エクスプレスは20日、日本とのビジネス関係を有するカルナタカ州バンガロール拠点のIT企業にインタビューした感触として以上のように報じた。
NeoITのAvinash Vashistha重役(MD)によると、日本は最近までITを無数の技術の1つと見ていたが、最近は全てのビジネスのプラットフォームと認識しつつあるように見える。日本はIT資源の不足に直面、インドはIT資源の大きなプールを擁するが、日本がインドに対する技術移転等に設けている規制措置を解除しない限り、相互補完関係の形成は望めない。例えば日本にオフショア・ベースを設けることを計画するインド企業は、その製品/ソルーション/サービスをインドに逆輸出する際、この種の規制を受けることになる。こうした規制措置は両国間の相互交流も阻害し、全てのプロセスをスローダウンさせる。
Kshema Technologies LtdのAnant R Koppar社長兼CEOによると、日本は米国におけるソフトウェア・コストが急騰する中で、インドに注目し始めている。日本政府がインドのIT資源の点検に乗り出したのは、歓迎される動きである。これまではこの種の調査は日本企業によってのみ手掛けられており、日本は今のところインドからのITソーシングをほとんど行っていないと言う。しかしながらKoppar氏は、日本政府のインドに対する規制措置は、こと両国間のITビジネスに関する限り、さしたる影響はないと語った。それによるとKshema Technologiesの日本オフィス開設計画も失敗したが、それは決して日本政府の規制措置によるものでなく、それ以外の様々なマイナス要因によるものと言う。
CBS IndiaのK Subramanyam氏によれば、日本における状況は変化しており、今後日本のインドからのアウトソーシングが増大する見通しだ。こうした中で両国は明確なビジネス・フレームワークを立案する必要がある。日本は品質の代名詞とされているが、インドのIT部門はこうした日本の期待に応えられる。
IT領域では中国がインドに直接脅威を及ぼすものと見られている。日本との距離や言語面で、中国はインドよりも優位に立っている。とは言え日本語の文法はタミール語のそれに類似していることから、あるいはインド人が日本語を手掛けるのは比較的容易かも知れないと言う。
|