2000-08-18 ArtNo.23465
◆ハイレベルの負債が鉄鋼産業の前途に陰影:信用格付け会社
【ムンバイ】インド鉄鋼産業は依然として過当競争と高水準の負債の脅威に晒されている。信用格付け会社Credit Rating Information Services of India Ltd (Crisil)は最新レポートの中で以上のように指摘するとともに、インド鉄鋼産業固有の性状とビジネスの周期性が収益性に影響を及ぼしていると分析している。
インディアン・エクスプレスが17日報じたところによれば、Crisilはまた世界の他の地域の同業者はダンピングに対する迅速な法的措置により保護されているが、インド鉄鋼業界はこの種の迅速な当局の対応措置を期待できないと述べている。
鉄鋼産業の調整統合が世界的な潮流になっており、特に欧州では鉄鋼生産の60%が大手5社により支配されている。これに対してインド鉄鋼産業のパフォーマンスは広範な未組織部門や小規模業者により左右されている。
インドでは企業のオーナーシップが重視され、このことが業界の統合再編を困難にし、ひいては合理的な価格設定を不可能にしている。それだけでなく、鉄鋼会社の内外の市場環境への対応能力を低下させている。
少なからぬ地元企業が国際競争力を強化しているものの、市場環境の急変に耐える能力は、財政状況に大きく依存している。鉄鋼の国際価格が改善基調にあるこの時機を利用して負債を軽減するなら、真の国際競争力をつけることも可能である。健全な資本構造と財政状況は、リスク防止策以上に成長の原動力になり得ると言う。
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