【ムンバイ】年商6943クロー(US$15.52億)のTata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)は、鉄鋼業から鉱業に重心をシフト、この方面の活動を強化する計画だ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが9日報じたところによれば、TISCOのJamshed J. Irani重役(MD)はこのほど「Tiscoはマテリアル・プロバイダーとして自らを位置づけ、今後鉱業活動により一層力を入れる」と語った。
それによると、鉱業領域における豊富な経験を有するTISCOは今後、鉱業活動を同社の中核ビジネスと見なしていく。現在Tiscoの営業額の25%が非鉄鋼業務に属し、これらにはボールベアリング、クロム鉱、クロム鉄、マンガン鉄が含まれる。非鉄鋼ビジネスの売上は今後拡大する見通しだ。
Tiscoの鉄鉱採掘コストは国際平均を多少下回るため、鉱業活動の拡大は鉄鋼ビジネスの競争力強化にもつながる。同社は鉄鉱山やその他の鉱山を有するため、政府の規制が緩和され、ロジスティクス等の条件も満たされるなら、鉱業活動を専門に手掛ける新会社を設け、社内用だけでなく、国内や海外市場向けの生産も手掛ける。
Tiscoは、Orissa Mining Corporation (OMC)及びオリッサ州のIndustrial Development Corporation(IDC)とクロム鉱の開発に関する協議を進めている。しかしクロム精錬コストの50%は電力コストで占められるため、低コストの電力が得られることが先決条件になる。またTiscoは炭鉱経営の可能性も研究している。
この他、チタニウムは有望な金属資源で、20世紀に鉄鋼が果たした役割を、21世紀にはチタニウムが担う可能性がある。このためこの方面の潜在性も開拓する必要があると言う。