2000-07-26 ArtNo.23229
◆地場ソフト大手/製薬会社、バイオインフォマティクスに注目
【ハイデラバード/ムンバイ】地場ソフトウェア業界大手のSatyam Computersや、地元生物科学研究機関のCentre for Cellular and Molecular Biology (CCMB)、あるいは医療研究機関のDr Reddy's Laboratories 等は、これまであまり縁のなかった2つの経済部門、製薬と情報技術(IT)が交差する新分野バイオインフォマティクス領域への進出を図っているもようだ。
インディアン・エクスプレスが24日伝えたところによれば、バイオインフォマティクスは主にゲノム(生物の生活機能を維持するのに必要な最小限の遺伝子群を含む一組の染色体)と遺伝子の配列研究への情報技術(IT)の応用に関わる新領域で、生物学的に有益なデータの取得、データの管理、ゲームプランの交換と言った問題の研究が中心になる。ヒトゲノムや他の有機体モデルの解読における主要な成果が、インフォテック企業や製薬会社のために大きなビジネス機会を開放した。
CCMBのLalji Singh取締役によると、サティアムとのバイオインフォマティクス・ベンチャーに関する提携交渉はかなり進捗しており、1ヶ月以内にも覚書が交換される可能性があると言う。しかしサティアム幹部は、米国における上場を準備中なこともあってか、CCMBとの協力に関して固く口を閉ざしている。消息筋によると、サティアムとCCMBのタイアップは、まだ市場規模が限られているゲノム研究のためのソフトウェア・ツールの開発よりも、データ・マイニングやゲノム分析、蛋白質配列分析等のバイオインフォマティクス・サービスに関わるもののようだ。
業界観測筋はDr Reddy's Labsも既にこの方面の準備作業に着手したと見ているが、ハイデラバード拠点の同ラブは、やはりバイオインフォマティクス方面の活動に関してコメントを控えている。
業界観測筋は向こう数年間に同市場は20億米ドルを突破するが、大部分のビジネス機会は米国周辺に集中するものと予想している。
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