1995-07-11 ArtNo.2320
◆<星>住宅不動産価格、第1四半期以来5-10%ダウン
【シンガポール】住宅不動産価格は今年第1四半期以来5-10%下降しているが、今後の市況に対するアナリストの見方は一様でない。
市況下降を示す最近の統計から多くのバイヤーが観望姿勢を採り始めている上、中元時期の7月27日~8月25日の間は華人は取引を控えるため第3四半期の市況は更に沈滞するものと見られる。住宅市況の指標の1つとされる土地価格は15~25%下降、住宅ローン需要も昨年に比較して軟化している。景気後退は政府の統計数字を上回ると言った巷間の噂も市場の自信に影響を及ぼしている。某コンサルタントは、経済全般の動向と不動産市況は相関関係を有しており、アナリストの見通しも初めて政府のそれより悲観的になっていると指摘した。
とは言え多くのアナリストは不動産デベロッパーがどこまで売り急ぎを控え、新規供給を抑制できるかが鍵と見ており、市況が直ちに買い手市場に転じるとは見ていない。例えばファー・イースト・オーガニゼーションは公示価格を高めに維持し、魅力的なディスカウントをオファーする戦略を採用しており、別のデベロッパーは公示価格を合理的水準に調整して大量販売を図る方式を採用している。
某アナリストは、市場に崩壊現象が生じるとすれば、今年ではなく、来年だろうと予想する。不動産コンサルタント会社ナイト・フランク・チョン・ホック・チャイ&ベイリューの幹部は、公共住宅から民間住宅への転向組みが約4万世帯存在し、これらの潜在バイヤーの関心は依然衰えていないと予想するとともに、その辺に支持ラインが存在すると指摘した。(BT:7/12)
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