【ニューデリー】Steel Authority of India Ltd(SAIL)を含む熱間圧延コイル(HRC)製造業者らは、輸出の拡大でここ数カ月HRCの供給逼迫が予想されることから、次期四半期に国内価格を上方修正する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが27日報じたところによれば、HRCの国際価格はトン当たり250~265米ドル(FOB)に達し、向こう数週間に一層の値上がりが見込めることから、鉄鋼会社は輸出に拍車をかけている。HRCのトン当たり国際価格は270米ドル台に達した後、下降に転じるものと予想される。
SAILは7-9月期のHRC輸出量を今期のほぼ3倍の月間4万~5万トンに拡大する計画とされ、EssarやJindal Vijayanagarも輸出の拡大を予定している。このため7-9月期には4-6月期に比べ50%増の60万トンが輸出されるものと見られる。
国内市場においても大型家電製品や自動車、その他の製造部門の活況から4-6月期の国内HRC需要は、昨年同期に比べ10%ほど拡大した。伝統的に7-9月期には市況が軟化するが、今年は少なくとも5%の成長が見込まれている。
HRCメーカーは銀行から市場金利(15%)を下回る10%の優遇金利で輸出ローンを提供されるため、輸出の拡大は運転資金コストの軽減にもつながる。
一方、SAILのBokaroとRourkelaの熱間鋼帯工場は7月に保守のため年次休業を予定しており、また最近試運転を開始したTata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)の冷間圧延(CR)工場に少なからぬHRCが原料として供給されることから、HRCの供給不足も予想されている。