2000-06-06 ArtNo.22683
◆石油メジャー、ジャムナガル製油所稼働で東南亜戦略に見直し
【ニューデリー】Reliance Petroleum Ltd(RPL)がグジャラート州Jamnagarに年間処理能力275万トンのメガ製油所を設けたことから、Shell、Chevron、Exxon等の石油メジャーは東南アジアにおける製油能力の拡張を向こう2、3年見合わせざる得なくなった。
エコノミック・タイムズが3日報じたところによれば、東南アジア諸国は既に精製能力が飽和点に達しており、特にシンガポールでは需要の倍以上の設備能力を抱えている。こうした中で石油メジャーは東南アジアからインドや中国に目を向け、設備拡張の機会を探っている。最近マレーシアで催された石油/ガス会議に出席した業界専門家や観測筋も石油メジャーがその戦略を転換しつつあることを指摘している。
Tata Energy Research InstituteのR K Pachauri氏によると、Shell、Exxon、Chevron等は今や下流部門石油製品の販促に力を入れるとともに、上流部門の探査ビジネスの機会を探り、インドが炭化水素部門を開放するのを待っている。しかし域内における製油能力の拡張計画は凍結しており、これは主にジャムナガル製油所の稼働に伴うものと言う。
インドの製油能力は昨年の6914万メートル・トンから今年の1億904万メートル・トンに拡大、第9次5カ年計画の完了までには1億2900万メートル・トンに達する見通しだが、同時点の需要は1億1000万メートル・トンと見積もられる。
シェル・インディア・スポークスマンによると、同社は製油能力の拡張よりは、インフラ開発、例えばパイプラインの敷設や港湾施設の建設に力を集中すると言う。
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