2000-05-17 ArtNo.22485
◆政府持分大型売却うん釀--従業員持株制/ゴールデン・シェア
【ニューデリー】政府持分の大型売却の動きがうん釀している。労組懐柔策としてゴールデン・シェアの発行や従業員持ち株制度(ESOP)が準備されているもようで、バジパイ首相は、予算国会休会を機に実行のシグナルを発したと言う。
エコノミック・タイムズが16日報じたところによれば、政府持分処分局(DOD : Department of Disinvestment)が対象企業のリストを政府持分処分閣僚委員会(CCD)に提出、これを受けてArun Jaitley政府持分処分相が夕食会外交を開始、政府持分売却に反対する閣僚の説得工作に乗り出した。つい最近催されたCCD会議は破談したが、これはRam Naik石油・天然ガス相とSharad Yadav民間航空相が、両省に関わる如何なる政府持分の売却にも頑強に反対したためとされる。
消息筋によると、1)成功したModern Foodsの戦略的売却を雛形とした方式、2)Power Finance Corporation(PFC)/Rural Electrical Corporation (REC)の合併に見られるような部門内のクロス・ホールディング方式、3)公開入札方式、と言った3つのタイプが提案されているようだ。
通常ESOPのためには2~5%のシェアが留保されるが、ポーランドでは10%近いシェアが従業員に留保されている。またModern Foodsの場合、労働者の権利を擁護する上から政府は26%のシェアを維持したが、株主総会における全ての議決に拒否権を行使できるゴールデン・シェアさえ確保するなら、政府は100%のシェアを売却できる。
DODは、既存会社法の如何なる条文に修正を加える必要があるか、報告を指示されたと言われる。既存会社法の下では普通株(equity)と優先株(preference)の2つのタイプの株式が認められているが、ゴールデン・シェアを発行するには会社法85、87、88条の各条文に修正を加える必要がある。85条は発行できる株式のタイプを、87条は議決権を、それぞれ規定、88条は不釣り合いな株式の発行を禁止している。このためゴールデン・シェアを発行するには先ず88条の条文を抹消する必要がある。
消息筋によれば、もし政府がゴールデン・シェアを発行する方針を決めるなら、政令により実行が可能と言う。
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