2000-05-15 ArtNo.22456
◆イスパット、新高炉稼働でHRC生産コスト大幅に低減
【ムンバイ】溶銑(hot metal)製造のIspat Metallics India Ltd(IMIL)がマハラシュトラ州Dolviに設けた新高炉が先週月曜稼働したことから、親会社Ispat Industries Ltd(IIL)の熱間圧延コイル(HRC:hot rolled coil)の製造コストが大幅に下降する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが12日、IIL筋の消息として報じたところによれば、IILがマハラシュトラ州Dolviに設けた総合鉄鋼コンプレックス内に位置する新高炉のコストは1840クロー(US$4.22億)。新高炉の稼働率が65~70%に達するにはなお3、4ヶ月を要し、今年通年の溶銑製造量は130万トンと見込まれる。しかし来年は100%の稼働率を実現できる見通しだ。
新高炉で製造された溶銑はHRC製造原料として用いられ、HRCの原料の大きな部分がハイ・コストな直接還元鉄(DRI:direct reduced iron)や屑鉄から溶銑に転換される。これによりエネルギー消費を軽減し、電炉(EAF)の生産性を向上させることができる。新高炉で生産された溶銑は1100度の高温状態のままEAFに供給されるため、再加熱のためのエネルギー消費を軽減できる。
加えて石炭注入法(coal injection system)が用いられるため、コークスを主要燃料とする一般の高炉に比べ燃料コストも低い。
同社の予測によればHRCのトン当たり製造コストは1500ルピー削減され、エネルギー消費は750ユニットから450ユニットに下降する。
IMILはIILに溶銑をトン当たり6500ルピーで供給、溶銑の一部は銑鉄として販売する。長期的には溶銑は全てグループ内で消費され、銑鉄の販売は停止される。
HRCのトン当たり販売価格は1万6000~1万7000ルピーで、一層の値上がりが見込まれ、FOB輸出価格は230米ドル。これに対してIILのHRCのトン当たり変動費は目下1万500ルピーで、第2期HRCプロジェクトが2001年に完成すれば、さらに下降する。IILは目下80%の稼働率で年間120万トン前後のHRCを製造しているが、第2期工事が完成すると年産能力は300万トンに拡大すると言う。
|