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2000-05-09 ArtNo.22397
◆JVSL/Essar、HRコイル市場でサバイバル戦
【ニューデリー】最近冷間圧延コイル(HRC)市場進出を果たした民間企業2社、Jindal Vijayanagar Steel Ltd(JVSL)とEssar Steel Ltd(ESL)はいずれも、生産の拡大、コスト削減、効率化を通じ、2000/01年度には金利/減価償却コストを差し引いた後に利益を計上できると宣言しているが、果たして成功するだろうか。
インディアン・エクスプレスが8日伝えたところによれば、JVSLは、鉄鉱石、キャプティブ・ペレット、溶銑製造過程におけるコークスに替えた石炭の使用等の面で、低コスト原料利用の恩恵を享受できそうだ。
JVSLの年産300万トンのペレット工場のコストは僅か430クロー(US$9853万)で、トン当たりの精鉱コストは77ルピー、トン当たり運輸コストは100ルピー、ペレットのトータル・コストはトン当たり600ルピーに過ぎない。このため溶銑のトン当たり製造コストに占める鉄鉱石/ペレット/塊鉱(lumpy ore)/精鉱のコストは約900ルピー(US$20.62)にとどまる。JVSLはキャプティブ鉄鉱山を有するため、このこともあるいはコスト削減に寄与するかも知れない。また同社Corexプラントは輸入コークスに替えて大幅に低廉な石炭を使用している。JVSLが採用するBOFプロセスは、電炉と異なり、電力をメイン原料としないが、それにしても同社はキャプティブ・ガスを発電所に供給することにより1ユニット当たり1.6ルピーで電力の供給を受けられる。
JVSLは大きなリスクを犯してCorexプロセスを採用したが、この賭は成功し、年間設備能力80万トンのプラントは、通年で100万トンの製造を達成できそうだ。
JVSLのSajjan Jindal重役(MD)は年産300万トンのペレット・プラントと年産160万トンの冷間圧延コイル(HRC)プラントが完全操業すれば、トン当たりHRCの製造コストは約180米ドルになると見積もっているが、もしそうなら世界最低コストのHRCプラントになる。
JVSLは2000/01年度に売上2000クロー(US$4.58億)、現金利益300クロー、純益8億2000万ルピー(US$1879万)を予想しており、その通りなら比類無い成功と言える。もし輸出市場と地元市場の現在の盛況が維持されるなら、同目標は達成できそうだ。
一方、ESLは2000/01年度に売上3500~3600ルピー(US$8億-8.25億)を見込んでいる。同社の長所は年産220万トンの製造規模。同キャパシティーは240万トンに拡大、輸出も100万トンを突破し、120万トンをマークする可能性が有る。同社はまたJVSLよりも幅広で、薄手のコイルを製造でき、無欠陥製品を製造できるスキン・パス・ミルを備えている。したがってESLとJVSLは競合することなく、それぞれ異なる市場を開拓できる。
しかしESLには低コスト原料利用のメリットはなく、市価でペレットを購入、長途の輸送コストも負担せねばならない。また主要原料に含まれる電力コストは1ユニット当たり2.50ルピーで、一層値上がりする恐れもある。同社の年産300万トンのペレット・プラントのコストは1200クロー(US$2.75億)で、生産されたペレットは製鉄所まで長距離輸送されねばならない。輸送コストをカットするためにスラリ・パイプを敷設するなら、別途350クロー(US$8020万)を必要とする。ロー・コスト原料のメリットを有せぬESLの生存競争は、好調な市場とHRCの高価格により大きく依存することになる。
ESLは加えて多額な累積負債を抱えている。
こうした点からJVSLは逆境に耐える基礎条件を備えているが、ESLの生存競争の帰趨は市場環境に大きく依存する見通しだ。
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