SEAnews 2000-05-05 ArtNo.22370

【ニューデリー】Essarグループの旗艦、多額の負債を抱え経営難に直面するEssar Steel Ltd(ESL)は国際的な鉄鋼価格の復調に助けられ、今年度(2000/03-2001/04)は売上の急増を予想、損失を返上できるものと期待している。
EssarグループのPrashant Ruia取締役及びＥＳＬのJ Mehra重役(MD)が3日語ったところによると、同社は今年度の黒字回復に自信を抱いている。借入／自己資本比率は現在2.3：1だが、これも3年内に1.5：1に改善する見通しだ。
インディアン・エクスプレス／エコノミック・タイムズが4日伝えたところによれば、1999-2000年度には輸出が45％アップ、66万6000トンを記録したが、今年は120万トンの輸出を目指している。ＥＳＬは東南アジアと中国の新市場の開拓を図っており、中東市場も重視している。ターゲットは他に比較して利益率の大きいニッチ・マーケットを開拓することで、同時に高付加価値のプレミアム製品の開発にも力を入れている。
国内市場についてはエレクトリカル・グレード、エクストラ・ディープ・ドゥローイング、ラインパイプ・グレード、高張力鋼等の高付加価値製品の顧客開拓に力を入れている。
ＥＳＬは4200クロー(US$9.62億)の負債を抱えているが、そのプロフィールは他の鉄鋼会社のそれに比べ良質である。同社は、1）コスト削減、2）技術革新を通じた生産規模の拡大、3）市場性(sales realisation)向上の3戦略を通じ、株主のために事業資産の質向上を図ると言う。