SEAnews 2000-05-02 ArtNo.22328

【ムンバイ】フランスのセメント大手Lafargeは先週金曜(4/28)、Raymond社からマドヤプラデシュ州Bilaspurの年産240万トンのセメント工場を現金785クロー(US$1.8億)で買収、インド東部市場におけるプレゼンスを強化した。
Lafargeは昨年末にはTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)からやはり東部地区の年産200万トンのプラントを550クロー(US$1.26億)で買収しており、同社のインドにおける年間セメント製造能力は440万トンに達した。
エコノミック・タイムズ／インディアン・エクスプレス／ザ・ヒンドゥー／ヒンドゥー・ビジネス・ラインが先週土曜(4/29)報じたところによれば、今回の買収は投資銀行Kotak Mahindra Capital Companyのアドバイスに基づき実行された。
Lafarge India Ltd (LIL)のThomas Farrell重役(CEO)によると、レイモンドのセメント工場は東部の主要市場に近接しており、今回の買収は戦略的に重要なステップと言える。レイモンドの工場はTiscoから買収した工場と100キロの距離にある。
目下同社は西ベンガル州で17％、ビハール州で15％のシェアを有するが、この程度のシェアでは、巷間に伝えられているような、価格操作はできない。
ＬＩＬのT Thomas会長によると、プラントの買収は新工場を設けるのに比べ、安上がりで、新工場の立ち上げに要する時間もカットされるためリスクも少ない。買収コストは国内借入や直接投資により賄う。一般に噂されるような敵対買収は行っておらず、今回の買収も双方満足の行く条件の下に行われた。
レイモンドのGautam Hari Singhania重役(MD)によると、同社は最近セメントと鉄鋼部門を売却する方針を決めた。スチール部門も適当な時期に売却する。今回の売却収入はその一部を765クローの債務の返済に当て、また中核とする繊維ビジネスに投資すると言う。今回のセメント工場売却の消息が好感されたか、この日同社株は8％アップした。