【ニューデリー】東北セブン・シスター中最小のトリプラ州は茶と天然ゴムの産地として知られるが、同時に300億立米の天然ガスも埋蔵している。このため州政府は、天然ガス資源を梃子に州経済の成長を加速すべく、ガス・ベースの工業誘致に本腰を入れている。
インディアン・エクスプレスが24日報じたところによれば、トリプラ州政府は州都アガルタラで最近ジャンボリーを催し、ガス関連産業、取り分け尿素、炭化水素領域に関心を有する企業家の誘致キャンペーンを開始した。
トリプラのガス資源はミャンマー/バングラデシュのガス鉱脈の延長で、州内にはおよそ4000億立米のガス資源が存在するものと見られるが、これまでに確認された埋蔵量は300億立米、その内180億立米が採掘可能と見られている。
オイル・アンド・ナチュラル・ガス・コーポレーション(ONGC)は1972年にトリプラにおける探査活動を開始、3年後にガスを掘り当てた。トリプラ州内の消費量は日量100万標準立米に過ぎないが、350万標準立米の供給能力を有する。
目下、トリプラのガスは州電力局やNorth Eastern Electric Power Corporation(NEEPCO)により発電燃料として利用されている他、パイプラインにより一般家庭や工商業界に供給されている。尿素、尿素-ポリ塩化ビニール(PVC)、尿素-メタノール、炭化水素合成物ベースの新産業用に日量200万標準立米のガス供給が可能で、第9次5カ年計画中に州内の生産量は日量450万標準立米に達する見通しだ。
同州のガスは硫黄を含有せず、熱量も9250キロカロリーと西海岸で産出される随伴ガス(8500KCal-HBJ:Hazira-Bijaipur-Jagdishpur pipeline)を上回る上、特別価格がオファーされる。トリプラ・ガスはHBJパイプラインのオーナー、Gas Authority of India Limited(GAIL)によりマーケッティングされている。アッサム協定の下、ガスは1000標準立米(SCM)当たり約1700ルピーと、国内の他の地域における1000SCM当たり2850ルピーを1000ルピー以上下回り、トリプラ州政府は更に1000SCM当たり300ルピーの割引も認めている。
この他、トリプラに及ぼす経済効果も配慮した上で、法人所得税の免除、10年間の消費税払い戻し、運輸コスト補助、資本財投資補助、アガルタラ/カルカッタ間の空輸コスト補助、ガス・ベース・プロジェクトの保険料補助等の優待も準備されている。
中央政府の石油・天然ガス省もハイレベルの専門委員会を設け、トリプラの天然ガス資源の開発と利用を促進している。